2022年07月20日

○東レエンジ、マイクロLEDディスプレイ生産性向上へ接合材検証

2022年7月12日 化学工業日報

 東レエンジニアリングは、ディスプレイ駆動基板に直接マイクロLED(発光ダイオード)チップの良品のみを配置する技術を開発する。実用化されれば生産性が向上し、テレビなど大型でのマイクロLEDディスプレイの普及が前倒しされる可能性がある。上市ずみの高速レーザー転写装置で機械的な技術をほぼ確立したが、目下の課題は接合材となる。現在、東レをはじめとした各メーカーが持ち込んだ接合材を検証中で、2022年度に試作品を完成させ、23年度に顧客での評価を開始。25年度をめどに採用を見込む。

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2022年07月19日

スマートグラス市場、2030年に127億6000万ドル

July, 13, 2022, Laser Focus World

San Francisco--Grand View Researchの調査によSan Franciscoると世界のスマートグラス市場規模は、2030年に127億6000万ドルに達する見込である。市場は、2022-2030年にCAGR 10.3%で成長する。運輸と建築分野における需要増が主因。新設ビルで革新的技術を導入する新興トレンドが、建築分野でスマートグラス製品の採用を促進している。

最新のグラスソリューションは、スマートグラスあるいはダイナミックグレージングの形でオンデマンドプライバシーを提供する。これらのガラスは、環境的持続可能性を維持しながら外が見えるようにすることで屋内エクスペリアンス全体の変革に役立つ。このため、病院、レストラン、他の商業ビルでスマートグラス需要が激増している。また、より省エネにするために住宅の刷新に対する関心が、スマートグラスメーカーに利益のでる機会も提供している。一例を挙げれば、2021年4月、Halio IncはMarvinと契約し、スマートグラスを住宅建設分野に導入する。

スマートグラスは、エレクトロクロミック、SPD、PDLCなど幅広く利用可能である。中でもPDLCセグメントは、予測期間に大きな成長が見込まれている。その成長は、同技術による操作の実現可能性によりもので、これは光学的半透明性、迅速応答時間を容易にする。これに加えて、同技術により超高速スイッチングスピード、低ヘイズ、省エネが可能になり、これは窓や仕切り壁に同製品の適用促進で重要な役割を担っている。他の要因、熱、UV、湿気、長寿命、低駆動電圧なども、PDLCスマートグラス需要を後押ししている。

スマートグラス市場レポートのハイライト
・省エネ法(Building Energy Conservation Act)、EUによるグリーンビルでイング構想などの厳しい規制基準の設立が、予測期間に市場の成長を促進すると見られている。
・高級車におけるパノラマルーフパネルや大型サンルーフ組込の最新トレンドが、運輸アプリケーションでスマートグラス需要を刺激すると期待されている。
・市場プレイヤにとって十分な成長機会がある未開拓市場であるAPACは、予測期間にCAGR 12.0%程度の高成長が見込まれている。

(詳細は、https://www.grandviewresearch.com/)

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○MicroLED AR Smart Glasses Displayチップ市場規模、2026年に4100万ドル

July, 15, 2022,  Laser Focus World

Taipei--TrendForceのMicroLEDレポートによると、多くのMicroLEDディスプレイアプリケーションの中で、大型ディスプレイ開発に続いてMicro-LEDマイクロディスプレイが次の新しいハイエンド製品となる。MicroLED ARスマートグラスディスプレイチップの市場規模は、2026年に4100万ドルと予想されている。

2025年から2026年のわずか1年で市場規模のそのように大きな成長の理由は、主に赤色チップ、レーザトランスファ、ウエファボンディングやフルカラー化などの技術の段階的な成熟によるものであり、これが収率を改善し、製造コスト削減を可能にする。

TrendForceの指摘によると、Micro LED ARスマートグラスの現状は、フルカラー技術ボトルネックによりモノクロディスプレイが支配している。また、情報プロンプト、ナビゲーション、翻訳、テレプロンプタアプリケーションなどの基本的な情報機能を表示できるだけである。将来的には、フルカラー技術が成熟すると、それはまず、医療手術/テスト機器、工場環境モニタリング/メンテナンスツール、軍事アプリケーションなどの特殊分野に適用される。その技術が十分に進歩し、コストが商用化向けに落ちると、Micro LEDsは、フルカラーコンシューマディスプレイ製品に適用される機会が得られる。

透過型スマートグラスの理想的なデイスプレイは、次の3条件を満たさねばならない、とTrendForceは指摘する。まず、重量とサイズの制御、そのようなグラスを装着する負荷を可能な限り減らすためである。対応するディスプレイ光エンジンのサイズは、1インチ以下でなければならない。2つ目に、コンテンツ認識要件に関して、ディスプレイの輝度仕様は、少なくとも4000 nitsでなければならない。天候や会場など、外的環境要素の影響を受けないことを保証するためである。最後に、解像度は少なくとも3000 PPI以上。投影された画像が、はっきりと読み取れるようにするためである。

とは言え、マイクロディスプレイで厳しい上の要件を同時に満たすことができる技術はほんどない。最も人気のある技術は、Micro LEDとMicro OLEDであり、両方とも自発光式である。しかし、Micro LEDは現在、ARアプリケーション技術開発の初期段階であり、克服すべき課題が残っている。解像度要求が大幅に高まっているため、増加ピクセルは不可避的に、チップの同時縮小に行き着く。Micro LEDのサイズが、少なくとも5μm以下に縮小される必要がある状況では、エピタキシャルプロセスにおける波長の均一性問題が、収率に影響を及ぼす。

第2に、より小さなチップは、レッドチップ外部の外部量子光率(EQE)に問題が生ずる。これが、次にフルカラーの発光効率に影響を与え、単色しか表示できないという課題に直面する。3つ目、フルカラーの問題は、青色チップと量子ドット技術を組み合わせることで克服可能であるが、現段階では、Micro LEDプロセスにおける量子ドット技術アプリケーションには、まだ克服すべき多くの技術的ボトルネックが存在する。

4つ目、Micro LEDチップとCMOSバックプレーンがウエファで結合されると、RGBチップがレーザトランスファを利用してバックプレーンに移転され、Micro LEDチップ移転収率は、レーザ移転エリアのエネルギー制御が均一でない場合、影響を受ける。最後に、バックプレーンのMicro LEDマイクロディスプレイ光エンジンの電気的、光学的特性の素早い検出、検査後の欠陥ピクセルの修復もプロセスとコストに影響を与える主要な要素。

ARスマートグラスとフルカラー技術開発でMicro LEDアプリケーションで克服すべき障害はまだ多く、Micro OLEDと比較して量産スケジュールが遅れているが、Micro LEDは、コントラスト、応答性、寿命、省エネなどの仕様でMicro OLEDパフォーマンスに決定的な差をつける。透過型ARスマートグラスの光効率が、1%限界を破るのは、光導波路素子技術の制約により難しいことを考えると、Micro LEDはまだ、中長期的には、マイクロディスプレイには優れた光エンジン技術オプションである。

(詳細は、https://www.trendforce.com/)

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2022年07月17日

○アップルのAR/VRヘッドセット、第2世代でさらに軽量化? 通話も強化され2024年発売との噂

7/15(金)  PHILE WEB

アップルが開発中と噂されるAR/VRヘッドセットは2023年の初頭に発売が予想されているが、すでに第2世代モデルに取り組んでいるとの観測も相次いでいる。そして、さらにそれを裏付けるサプライチェーン情報が伝えられている。

この噂の発信源は、韓国の電子産業情報誌ET Newsだ。第1世代モデルは今年(2022年)第4四半期に量産開始し、2023年初めの発売に向けて準備が進められているが、初代製品ゆえに生産台数はそれほど多くないという。価格は3,000ドルになるとの説もあり、それゆえ出荷量も絞られるのかもしれない。

第1世代のヘッドセットに用いられる部品として、ソニーとLGディスプレイが供給する薄型で電力効率に優れたMicro OLEDディスプレイ、LG Innotekの3Dセンシングモジュール3つ、中国企業が供給する中低スペックのカメラが搭載されるとのこと。これらは、おおむね既報の通りである。

この第1世代モデルではエンターテインメントとゲームに特化しつつも、第2世代の製品をより優れたものにするための、テスト機器としても期待されているという。その第2世代は2024年に発売される予定であり、より軽量なデザインや通話機能、LG Innotekの超高精細カメラがセールスポイントになると伝えられている。

今回の「第2世代モデル」は高性能が強調されている感があるが、そのためにはコストが下げにくいはず。先日、有名アナリストMing-Chi Kuo氏は、ハイエンド/手頃な価格の2モデルが用意される可能性が高いと述べていたが、そのうちハイエンド版を指しているのかもしれない。

また、わざわざ「通話機能」に重きが置かれているのも気になるところだ。大手メディアBloombergのMark Gurman記者は、AR/VRヘッドセットではFaceTimeによるビデオ通話ができ、ミー文字やSharePlayが中心になると述べていたこともある。

つまり、通話機能は「第1世代ヘッドセットでもできて当然」と思われていたわけだ。逆に「できない」とはならないよう祈りたい。

Source: ET News
via: MacRumors

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2022年07月14日

○印刷×国産4K有機ELのAKRacingディスプレイ徹底検証!

7/7(木) Impress Watch

TVCMでお馴染み、本田翼さんの可愛らしい製品紹介シーンが大人気のAKRacingブランド。eSportsシーンに関心が高い読者にはもはや説明不要だろう。

(中略)

画質チェック〜HDR表現と暗部表現力に不満なし。カラーボリュームの作り込みも良好

映像パネルは、前述したように、JOLED製の27型4K(3,840×2,160ドット)解像度のものを採用している。JOLEDは、ソニーやパナソニックなどで、かつて有機ELパネル開発に従事してきたエンジニア達が中心となって興された、日本の有機ELパネル開発製造メーカーである。赤緑青の有機ELサブピクセル形成を、印刷技術で実践するRGB印刷方式を採用しているのが最大の技術的特徴であり、現状「ほぼ最後の日本の有機ELパネルメーカー」と言うことになる。

JOLEDは、スマートフォン向けの小型サイズと、PC向けディスプレイ製品などに向けた中型サイズの有機ELパネル開発に注力しており、本製品はまさにその中型サイズ有機ELパネルを採用する。

JOLED製有機ELパネルを採用した他の製品としては、ASUSが2021年に発表した32型「OLED PA32DC」があるが、発表されてから約1年が経過した今もまだ発売されていない。

一方LGからは32型「32EP950-B」が'21年7月、27型「27EP950-B」が同年11月から発売されている。この他には、EIZOが2019年に21.6型サイズのJOLED製有機ELパネルを採用した「FORIS NOVA」を発売したが、現在は生産終了済み。

その意味でAKRacingのOL2701は、JOLED製パネルを採用した数少ない27型ということで、レアなモデルとも言える。

デジタル顕微鏡で撮影した写真を示すが、見ての通り、RGB印刷方式パネル特有の整然とした美しいサブピクセル構造を確認できる。また、LG製の白色サブピクセルベースの有機ELパネルよりも、1画素あたりの開口率が高いことも分かる。顕微鏡写真画像からの概算算出になるが、開口率は約80%と計算できた。これはかなり高い値だ。

なお、青のサブピクセルが大きいのは、波長の短い青色光を発する青サブピクセルの寿命が短いためだろう。具体的には、寿命に配慮した低電力で駆動しても、赤や緑のサブピクセルの輝度に見合う輝度の青色を取り出すために面積比でバランスを取っているのだ。

ピーク輝度は540nitで、コントラスト比は100万:1を誇る。また、ネイティブ10bit駆動パネルであり、10億色もの同時発色が可能であることもアピールされている。

この部分については、馴染みのない方もいるかもしれないので簡単に補足解説しておく。

現在の映像パネルでは、たとえHDR表示に対応している製品であっても、その多くが各サブピクセルの階調制御は8bit駆動のままとなっている。そして、この8bit駆動パネルで10bit駆動相当の発色を実現するために、「8bit+FRC」と呼ばれる技術を組み合わせている。

FRCはFrame Rate Controlの略で、なんだか倍速駆動とかそっち方面の話と思われそうだが、そうではなく、もっと画素自体の駆動技術に近い話題だ。簡単に言うと、映像パネル単体としては8bit駆動だが、10bitに足りない2bit分を時間方向の階調制御で賄うもの。要するに、時間方向のディザ(誤差拡散)制御といってもよいかもしれない(なお、その一部には空間方向に誤差拡散を行なうパネルもある)。

では、具体的にはどんな駆動をするのか。たとえば8bit駆動だと0〜255の階調を作り出せるわけだが、0〜1023までの階調を作り出せる10bit駆動と同等にするには256〜1023までのダイナミックレンジが足りない。ということで、2回分の映像を表示することで、1枚の10bit階調の映像を表示するわけだ。これが8bit+FRCによる疑似10bit駆動の着想になる。つまり、技術的な語り口でいえば「1フレーム表示を2フィールド表示によって実現する」のである。

液晶ディスプレイや液晶テレビのかなりの多くの製品が今でもこの駆動法を採用しており、上級のハイエンド機のみがネイティブ10bit駆動パネルを採用している。

有機ELパネルについても、LG製のRGB+Wサブピクセル構造の有機ELパネルがネイティブ10bit駆動に対応しており、JOLED製有機ELパネルだけというわけではない。ただ「ネイティブ10bit駆動である」という事実は、ハイエンド志向のユーザーを納得させるキーワードになっていることは間違いないだろう。事実、本機の色域はsRGB色空間カバー率130%、DCI-P3色空間カバー率99%を実現しており、発色特性に関しては優秀であることがアピールされている。

10bit駆動、最大540nitの有機ELパネル採用のOL2701に、10,000nitのHDR10映像を入れたときにどのようにトーンマッピングされるのか、「The Spears & Munsil UHD HDRベンチマーク」のTONE MAPPINGテストを試したところ、赤の階調バーが400nitあたり、緑の階調バーが8,500nitあたり、青の階調バーが2,000nitあたり、白の階調バーが10,000nitあたりで飽和する様が確認できた。物理的な輝度性能としては540nitまでしか出せないはずだが、うまくトーンマッピングを行なって、540nitを超える輝度の階調をそれなりにうまく見せることができているようだ。

また、1,000nit+αくらいまでのHDRカラーバーで確認してみると、1,000nitあたりまでは不自然なところがなく、全色で美しく自然な階調が表現できていた。一般的なHDR映像はコンテンツは1,000nitくらいまでで設計されているので、本機のHDR映像表示性能に大きな不満が出ることはないだろう。

「自発光パネルの実力を見る!」ということで、あえて、液晶パネルのエリア駆動精度の試験モード「FALD ZONE」(FALD:Full Array Local Dimming)テストも実施してみた。

このテストは、四角形状の発光体が漆黒の背景の外周を動き回らせることで、その発光体の周囲にどのような影響が及ぶかを検査するもの。液晶パネルでは、四角形の発光体の周囲に、その光源たるバックライト密度に準じた光芒(俗に言うヘイロー)が現れてしまうが、さすがは有機ELパネル。動く四角形の実体のみが発光している見映えとなっており、何の問題もなかった。

部屋を完全暗室にしてこのテストを実行すると、移動する四角形の回りが明るく見えるようになるが、これは、有機ELパネル自身が発している光芒ではなく、観測者たる自分の睫毛による光の回折と、眼球内の乱反射によって知覚されるものだ。

ちなみに、その光芒が「有機ELパネルの表示面で起きているのか」あるいは「観測者たる自分の眼球側で起きているのか」を判断するのは簡単だ。動体たる四角形の実体部分を指で覆えばいい。もし、四角形の実体部分を指で覆って、四角形の周囲に溢れて見える光芒が見えなくなるのであれば、それは表示面ではなく眼球の方(あるいはカメラ)で起きていることの証左だ。

本機の場合も、発光体の四角形を指で押さえれば、その周囲は極めて漆黒に近く、激しい明暗格差のある表現が隣接しても互いに影響を受けないことが確認できた。

上の動画は、FALDテスト実行中の表示画面を撮影したものだ。光芒効果が全く確認されず。発光する四角形が上側にいるときには上辺に、そして右側にいるときには右辺に、二重映りしているのはベゼルからの反射光であり、光芒(ヘイロー)ではない。

念のために「STARFIELD」テストも実行。こちらはSF映画で宇宙船が高速移動する描写際によく用いられる、漆黒の背景中央から星(輝点)が放射状に拡散するような表現のテスト映像だ。FALD TESTでの動く発光体は、ある程度の大きさだが、STARFIELDでは動く発光体は1ピクセル。光芒チェック用テストとしてはかなり厳しいものになる。

さすがは自発光ピクセルの有機ELパネル。シンプルに高輝度なドットが放射状に飛んでいく様が見て取れる。というか、大半を占める漆黒部分が本当に真っ黒なため、テスト映像ながら、暗闇に深さを感じるような知覚を覚えた。

LG製有機ELパネルは青色光のスペクトラムは鋭いが、赤と緑はぼんやり。特に赤と緑はスペクトラムピークが低く、それぞれのスペクトラムが溶け合ってしまっている。これでは、赤と緑が絡んだ混合色の色域が狭くなってしまう。

対して、本機の方は、赤緑青の3つのスペクトラムピークが全て鋭く、そして明確に分離している。色域の広さを期待させる。

一通りの項目テストを終えた後、HDR映像コンテンツの定点観測で利用しているUHD BD「マリアンヌ」をチェックした。

上でも述べているが、本機はHDR信号を入力した際は画調モード(エコモード)が選べなくなる。色温度(ホワイトバランス)も固定になるため、実質、HDR映像を入力したときには、映像調整はできなくなる。一般ユーザーのほとんどはこの仕様でも問題ないとは思うが、特定の色温度で作業を行なったり、あるいはキャリブレーションソフトを利用して色調整を行なった状態での作業を臨むプロ系ユーザーにとってはこの仕様はやっかいかもしれない。

なお、以下の評価は、本機のデフォルトの固定HDR画調モードで行なったものになる。

ブラッド・ピットがナイトクラブのある夜のロータリー街に到着する冒頭シーン。ナイトクラブのネオンサイン、町の街灯の輝きは、本機の賢いトーンマッピングによって自発光感のある輝きで表現できていた。

トーンマッピングの品質はかなり優秀で、序盤に登場する白いボディのクルマに通行人が映り込む表現があるのだが、その鏡像がかなりきっちりと見えている。白いボディとはいえ、夜間シーンの鏡像がきっちり見えるのはなかなか凄いことだ。

また、停車中のクルマの直下の半影表現がリアルであった。地面に落ちる影が、車体の奥に行けばいくほど漆黒となっていて、平面である画面に表示されている情景にもかかわらず、車体と地面の間に「暗い奥まった立体的な空間」の存在感が感じられた。液晶パネルでは、黒浮きが伴うため、こうした「立体的な暗い空間」の表現は難しい。

ナイトクラブに入ったブラッド・ピットがマリオン・コティヤールを見つけるシーンでは、背中の開いた彼女の黒いドレスの表現が興味深かった。このドレスは生地としては黒色なのだが、表面にスパンコール加工がなされているのか、あるいはサテン生地なのかよく分からないが、周囲の光を鏡面反射する素材となっており、キラキラと輝く。その輝きは、カメラと照明の位置関係でドット単位の輝きを放ったかと思えば、すぐに漆黒に戻ったりする。この表現が、本機の映像では非常に緻密に感じられるのだ。

「1ピクセル単位で鋭く輝いても、その周囲はその輝きに影響されず漆黒のまま」という表現は自発光画素でなくては難しい。同じテーブルに着座しているナチスに協力する婦人役の衣装にも同様な表現が見て取れる。

ブラッド・ピットとマリオン・コティヤールの二人がアパートに戻ったシーンでは、アパートの中の照明群の自発光感と、それらに照らされる廊下から奥のキッチンまでの奥行き感が見事であった。照明の光が屋内の各所に行き渡る際の「光の減衰感」がリアルなのだ。「光源に近いモノが明るく、遠いモノが暗い」「投射される影も、その輪郭付近に行けば行くほど明るくなる」というような、日常ではごく当たり前の照明効果がちゃんと「そう見える」ことに感心させられる。

夜のアパート屋上での偽装ロマンスシーンでも、その「暗い屋上情景」にも遠近感と立体感がある。

この暗闇の中でキスをするシーンでは、二人の暗がりの中の人肌は、灰色や緑や青にシフトすることもなく自然な発色だ。キスの際には、二人が顔を寄せて合ってから離れるまでの間に、二人の顔面を照らす薄明かりの光の当たり具合が変わっていく。その際の微妙な肌色の明暗の変化にも不自然なところがなかった。人肌のカラーボリュームの作り込みもしっかりしているようだ。

自発光の有機ELパネルは、本来、漆黒表現は得意だが、実は暗色を出すのは不得意である。というのも、有機EL画素は、ある程度の高さの電力で駆動するまで光らないためだ。では、有機ELパネルで暗色を出すにはどうするかというと、時間方向に明滅をさせることになる。暗く光らせられないので、ちょっと明るく光らせてすぐ消すことで、時間方向で暗色を再現するわけだ。口で言うのは簡単だが、自然な暗色表現を、この制御で行なうのは優しくはない。本機では、この制御に関しては非常にうまく行なえていると思う。

(以下略)


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2022年07月11日

○世界的なリセッション懸念拡大…サムスンもアップルもスマホ「減産」傾向

2022.07.11 コリア・エレクトロニクス

世界的に「リセッション(景気低迷)の恐怖」が広がっている。COVID-19局面で非対面日常化の恩恵を受けた情報技術(IT)機器市場も同じだ。インフレと対面生活再開などが相まってスマートフォンなどのモバイル産業が急速に凍りつく雰囲気だ。逆成長が避けられない。韓国メディア「Digitaldaily」が報じた。

5日、市場調査機関のガートナーは2022年グローバルスマートフォン出荷量が14億6000万台で前年比7%下落すると見通した。当初の予測値である16億台から約10%減少した数値だ。IDCはより保守的に接近した。同期間の出荷量を13億1000万台と推定した。昨年より3.5%縮小したもので、2年ぶりの後退だ。

他の会社の資料からも赤信号が感知される。カウンターポイントリサーチによると、今年5月の全世界スマートフォン販売量は9600万台で前年同期比10%下落した。ロシア・ウクライナ戦争が勃発した欧州とCOVID-19封鎖措置を施行した中国は状況がより深刻だ。

カウンターポイントリサーチは今年第1四半期欧州のスマートフォン出荷量は4900万台と集計した。前年同期比12%減少したもので、10年ぶりの最低値だ。世界最大市場である中国の場合、中国情報通信研究院(CAICT)が分析した結果、1~5月のスマートフォン出荷量が1億630万台だ。これは前年同期比27%急減した水準だ。年間の中国市場規模の予想値は、3億台前半から2億台半ばへと下がった。

スマートフォンだけの問題ではない。ノート型パソコン、タブレットなど需要縮小も既成事実化している。物価上昇で消費心理が萎縮し、全般的な購買力が落ちた影響だ。ガートナーは今年、グローバルパソコンとタブレット出荷量が前年比9.5%と9%減少すると予想した。市場調査機関のDSCCによると、ノート型パソコンパネルの在庫期間は6~8週間から8~12週間に増えた。完成品の出荷が減り、部品の在庫が増えたのだ。

電子業界関係者は「サムスン電子など主要電子製品会社が原材料購買を一時中断したり注文物量を減らしている」とし「これらの企業は一斉に年初樹立した目標値を下方修正する流れ」と説明した。

実際、スマートフォン業界は減産に乗り出した。サムスン電子は今年5月から生産規模を減らしたと伝えられている。年間生産量は3億3000万台前後から2億8000万~2億9000万台に下げた。アップルはiPhone13シリーズやiPhoneSE3の生産注文量を従来の計画より縮小することにした。下半期に発売予定のiPhone14シリーズ物量を減らす可能性が提起されている。

中国企業も参加する。シャオミは第1四半期の出荷量が3900万台で前年同期対比約20%低くなった。OPPOとVIVOは第2~3四半期にかけて生産量を20%前後に下げることにした。現地政府の閉鎖政策によって市場不振が現実化したためだ。

現存する問題が下半期まで続くという分析が支配的であるだけに、下半期の展望も明るくない。第3四半期の相次ぐ新作発売が予告されるが、期待に応えられるかは未知数だ。
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2022年07月05日

○2022年,マイクロLEDディスプレー世界市場は55,000台に

2022年06月07日  Optronics Online

矢野経済研究所は,マイクロLED及びミニLEDディスプレー世界市場を調査し,用途別の市場動向や将来展望を明らかにした(ニュースリリース)。​

それによると,2022年のミニLEDディスプレー世界市場は,前年比181.7%の2704万台(Units)になると予測する。ミニLEDディスプレーは,High-End TVやAppleのIT製品向けの搭載拡大が成長の原動力となり,2022年以降大きく市場拡大を遂げる見通しだという。

一方で,マイクロLEDディスプレー世界市場は,2022年に55,000台(Units)と予測した。マイクロLEDディスプレーはSmartWatch向け採用が本格化する2024年頃より規模が拡大し,マイクロLEDならではのメリットを生かせるXR(AR/VR/MR)向けのHMD(ヘッドマウントディスプレー)や,車載用HUD(ヘッドアップディスレー)等の小型機器用途を中心に市場が拡大する見通しだとする。

ミニLEDディスプレーパネルを採用したTV世界市場は2022年よりマーケットが本格化し,2023年における市場規模は1542万台(Units)まで拡大し,OLEDパネルを搭載したTV市場規模を上回る見込み。TVセット最大手であるサムスン電子は2022年よりミニLEDディスプレーパネルの調達を拡大させているほか,2023年以降は中国や日本のTVセットメーカーからのミニLEDディスプレー採用が本格化していく見通しだという。

ミニLEDディスプレーを採用したTV市場ではMiddle-Density Mini LED Chipsを中心に使用する,チップ数を抑えたミニLEDディスプレーが主流になるとみており,このタイプの採用拡大によりミニLEDディスプレー世界市場は急拡大していくと予測する。

ミニLEDディスプレー世界市場はTV向けマーケットに牽引され,2029年の同市場は4284万台(Units)まで拡大すると予測した。一方で,マイクロLEDディスプレイ世界市場は5インチ以下の小型ディスプレー向けを中心に拡大を予測する。

また,TVへのマイクロLEDディスプレーの採用は,2023年以降超大型TVパネルとしてマイクロLEDディスプレーを採用したTVの販売が本格化していく見込みで,搭載初期では富裕層消費者狙いの8Kクラス・100インチ以上のTV向け展開がメインとなる見通しだとしている。


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○マイクロLEDの量産を効率化

2022.05.20 電波新聞

 次世代ディスプレーとして期待されるマイクロLEDは、製造コストを削減するため工程時間の短縮が課題となっている。

 東レ子会社の東レエンジニアリングは、マイクロLEDチップの製造プロセスを大幅に効率化する装置群を提案。チップ実装、レーザー転写、外観検査などグループの技術を集め、「量産装置のデファクトスタンダード」を目指す。

 大画面のマイクロLEDディスプレーの量産化実現には、処理時間の長さがネックとなる。

 家庭用の大型4Kテレビには約2500万個のマイクロLEDチップを並べるが、不良率が約1%とすると不良品は約25万個。仮にこの数を1チップずつ拾い上げて配置すると処理に約350時間かかる。これではテレビの量産には対応できない。

 LEDの輝度(明るさ)や波長のばらつき(個体差)も障害になる。ばらつきのまま大量のチップをディスプレーに転写すると、映像むらが生じてしまう。

 そこで、東レエンジが開発したのがマイクロLEDディスプレー製造装置「RAP-LLO」だ。1秒間に1万チップの高速レーザー転写が可能。不良のチップはウエハーに残したまま、良品だけを選んで転写するのが特長だ。

 グループ会社タスミットの外観検査装置と連携して輝度と波長の情報をチップ単位で把握できる。個体差は、映像にむらが目立たず自然な発光になるよう、人工知能(AI)でチップの転写位置を調整することで解決した。この方式でディスプレーの生産効率は従来比で10倍向上した。

 親会社東レをはじめとしたさまざまな材料メーカーと共同で開発して最適な材料を提案できるのも強みだ。実装から検査まで一連の製造プロセスに対応した装置群を提供する。



 RAP-LLOを含むマイクロLED製造装置の受注は2022年度約30億円、25年度100億円が目標だ。
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○Epistar、マイクロLEDディスプレイ用チップの生産拡大を計画

2022年7月1日  iPhone Mania

台湾メディアDigiTimesが、EpistarはマイクロLEDディスプレイ用チップ(以下、マイクロLEDチップ)の生産拡大を計画していると報じました。

Epistarは、12.9インチiPad Pro(第5世代)や14インチおよび16インチMac Book Proが搭載するミニLEDバックライト用のLEDチップを供給しています。

同社は、現在は100インチ以上の大型ディスプレイで採用されているマイクロLEDチップの生産拡大を計画しているようです。

マイクロLEDディスプレイは今後小型化が進むとともに、拡張現実/仮想現実 関連製品や、Apple Watchに搭載されると噂されています。

AU Optronics(AUO)とInnoluxは、マイクロLEDチップの生産拡大を目的に、Epistarに投資すると2022年3月に報じられていました。

Epistarは今後、マイクロLEDチップの増産のために、工場の新設や製造ラインの増設を行うと予想されます。

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○ミニ/マイクロLEDディスプレイ向け感光性材料の新ラインナップについて

2022年4月14日 プレスリリース

住友ベークライト株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:藤原一彦)は、ミニ/マイクロLEDディスプレイ向け感光性材料スミレジンエクセルRCRXシリーズに新ラインナップを開発し、サンプルワークを開始いたしましたのでお知らせいたします。

開発の背景
住友ベークライトは、半導体向け感光性絶縁材料(スミレジンエクセルRCRCシリーズ)に加え、ディスプレイ向けにCRXシリーズを開発、実用検証を進め、この度、新しいラインナップとしてCRX-4000シリーズを追加いたしました。
ミニ/マイクロLEDディスプレイでは、微小なLEDチップを高密度に実装するため、微細加工性、絶縁信頼性を有する感光性材料の使用が見込まれますが、ミニ/マイクロLEDディスプレイの特長となる高い輝度を維持する為に、透明性、耐光性も重要視されます。そこで新たに樹脂構造から設計し、感光性絶縁材料配合技術と組合せて高透明・高耐光の感光性絶縁材料CRX-4000シリーズを開発しました。

CRX-4000シリーズの特長
LED光下で500時間曝露しても黄変なく、高い透明性を維持することが確認出来ており、LEDチップ周辺の微細加工ニーズに対応できます。
厚みは3〜25μmと薄膜用途から厚膜用途まで対応、アルカリ水溶液現像タイプで環境にも配慮しております。お客様の幅広いニーズにお応えしていきます。

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