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2018年02月21日

button_15.jpg  ジャパンディスプレイ 1000億円の当期純損失、自己資本比率は30%を割り込む

2/15(木) 東京商工リサーチ

 2月14日、液晶パネル製造大手で経営再建中の(株)ジャパンディスプレイ(TSR企業コード:294505385、東京都、東証1部、以下JDI)は都内でアナリスト向け説明会を開いた。大島隆宣CFO は2018年3月期の連結売上高について、7100億円程度(前期は8844億円)との見通しを明らかにした。

 JDIはこれまで2018年3月期の業績見通しを公表していなかった。ただ、2017年8月に大島CFOは「前年度より(売上高が)15-25%程度減少する可能性」を示唆していた。今回も利益予想は開示されなかったが、1000億円を超える当期純損失は避けられないとみられる。
 同時に発表した2018年3月期第3四半期(4-12月)の連結業績は、売上高5655億円(前年同期比12.2%減)、営業利益389億円の赤字(前年同期104億円の黒字)、株主に帰属する当期純利益は1006億円の赤字(同94億円の赤字)だった。
 アップルを中心とした主要顧客で有機ELの採用が進んだほか、中国市場でのスマートフォンの出荷減少などが響いた。ただ、有機ELを搭載したiPhoneは高価のため販売は軟調で、次期モデルには「揺り戻し」があるとの観測もある。
 当期純損失の計上に伴い、2017年12月末の連結自己資本は30%を割り込んだ。2018年3月末はさらに大幅に落ち込むことが避けられず、外部資本の導入を含めた資本対策が待ったなしとなっている。

 JDIは以前から「グローバル企業とのパートナーシップ」を進めるとしているが、一向に進捗がみられない。この点について大島CFOは「今日時点で想定よりも遅れがあるのは事実」と述べた。資本政策については「産業革新機構、ベンダーなどのステークホルダーと交渉している。この中で最適な解をみつけたい」と述べるにとどめ、具体名には言及しなかった。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年2月16日号掲載予定「SPOT情報」を再編集)

東京商工リサーチ
2018年01月22日

button_15.jpg  新型液晶、次期アイフォーンに=有機EL攻勢に一矢―JDI

1/21(日) 時事通信

 ジャパンディスプレイ(JDI)が開発した新型液晶「フルアクティブ」が、今秋に米アップルが発売する見通しの次期「iPhone(アイフォーン)」の画面に採用される方向になったことが20日、明らかになった。スマートフォン画面の採用では有機EL(エレクトロルミネッセンス)製が攻勢を強めるが、大画面化に柔軟に対応できる点や割安な価格が決め手となり、一矢報いた形だ。

 フルアクティブはJDIの再建のカギを握る主力の新製品。JDIにとってアップルは売り上げの約5割を占める最大顧客だが、同社による有機ELシフトの加速で、液晶しか持たないJDIの先行きが不安視されていた。今回の採用動向は2018年3月期(今期)に4期連続の赤字が見込まれるJDIの経営改善に寄与しそうだ。

 スマホは画面の大型化が進んでいる。JDIの新型液晶は、パネルを囲む外枠が最小0.5ミリでも作動するため、画面をより大きく取ることができる上、製造コストは有機ELより安い。 
2017年11月10日

button_15.jpg  希望退職者の募集を開始 JDI、50歳以上の約240人対象

11/7(火) 北國新聞社

 中小型液晶パネル大手のジャパンディスプレイ(JDI)は6日、経営再建の一環で行う希望退職者の募集を始めた。国内は50歳以上の約240人が対象で、期間は来年1月12日まで。

 希望退職者には特別退職金を支給し、再就職の支援も行う。人員の削減は、海外の約3500人を含めて約3700人超となり、グループ従業員の3割弱に当たる。石川県内には石川(川北町)、能美(能美市)、白山(白山市)の3工場がある。

 JDIはスマートフォン向け液晶パネルを製造する能美工場を年内に停止する。関連会社のJOLED(ジェイオーレッド)が2019年秋にも、同工場で次世代パネルの有機ELを本格生産する計画を進めている。

北國新聞社

button_15.jpg  JDI、680億円の純損失=リストラ費用かさむ―中間決算

11/8(水) 時事通信

 中小型液晶大手のジャパンディスプレイ(JDI)が8日発表した9月中間連結決算は680億円の純損失となった。人員削減などのリストラ費用約164億円を計上し、前年同期より赤字幅が拡大した。JDIには政府系ファンドの産業革新機構が出資し、経営再建を進めている。

 売上高は前年同期比0.8%増の3738億円とほぼ横ばいだった。ただ、画像が鮮明な有機EL(エレクトロルミネッセンス)技術の開発でライバル企業に先行を許しており、今後も苦戦が予想されている。 
2017年10月31日

button_15.jpg  紙のように軽く折り曲げられる新世代ディスプレイ「Flexible OLCD」

10/24(火) bouncy

イノベーションアワードなど様々な賞の獲得経験があり、フレキシブルなエレクトロニクスの世界的リーダーである「FlexEnable」社。彼らが開発したのは、紙のように軽く、折り曲げることができるディスプレイ「Flexible OLCD」だ。

重く割れやすいというディスプレイのイメージを一新する、次世代のディスプレイとは。

ガラスを使わないディスプレイ
同社が力を注いで完成させた「Flexible OLCD」は、ガラスを使わずに極薄のプラスチックが使われている。低コストで広い面積に拡張可能な高輝度を誇り、長寿命かつ割れる心配がないという利点がある。現在市場に出回っている90パーセントの液晶ディスプレイに比べ、「Flexible OLCD」は4倍薄く、10倍の軽量化を実現しているという。

鉛筆に巻きつけることもできるほどフレキシブルな「Flexible OLCD」は、この特性を活かした活用シーンは様々である。例えば、腕に巻きつければスマホがウェアラブルになるし、スマホの裏に貼りつければ第二のスクリーンを持つこができる。マグカップに巻きつければ新たなアイテムの誕生だ。さらに車内の好きなところに貼りつければ、ナビの完成。ドライブが終了すれば、簡単に取り外し車内の雰囲気をスッキリと保つことができるのだ。

日中の日差しにも負けない高輝度で、使う場所を選ばない「Flexible OLCD」は、ユーザーのアイディア次第で使い方が広がるだろう。

来年には大量生産予定
「Flexible OLCD」は2018年の大量生産に向け、中国の企業Trulyとのパートナーシップを結んでいる。生産する側のメリットでいえば「Flexible OLCD」は既存のラインで製造が可能な点が挙げられる。このメリットは、大幅なコストダウンにつながるはずなので、カスタマーにとってもうれしい点になるだろう。

この大量生産を受けて、ここ日本でも「Flexible OLCD」に遭遇する機会があるかもしれない。ディスプレイ単体での販売になるのか、ディスプレイを使ったプロダクトが世に出回るのか定かではないが、いずれにしても人々のアイディアが「Flexible OLCD」に最高の活躍場所を提供することになるはずだ。
・ ・ ・
紙のように気軽に扱うことができる「Flexible OLCD」は、今後ディスプレイをもっと身近な存在にしてくれるだろう。紙のメモを持ち歩くように持ち歩けて、さらに表示する情報量は紙とは比較にならないほど膨大。こんな便利なディスプレイを私たちは待っていたのかもしれない。

Courtesy of FlexEnable

Viibar.Inc

button_15.jpg  JDI、LTPSなどで攻勢かけ車載売上高3年で1.6倍へ

10/30(月) EE Times Japan

 ジャパンディスプレイ(以下、JDI)は2017年10月25日、メディア向けに車載向けディスプレイ事業に関する説明会を開催し、2019年度(2020年3月期)車載向け売上高として2016年度比1.6倍となる約1500億円を目指し強化するとの方針を示した。

 JDIは、2019年度に全社営業利益400億円、営業利益率5%達成の目標を掲げ、構造改革、成長事業の強化に取り組む。その中で、車載向けディスプレイ事業は成長事業の1つと位置付け、強化を実施している。2017年10月1日付で構造改革策の一環として導入した社内カンパニー制では、車載向けディスプレイ事業を柱にした社内カンパニー「車載インダストリアルカンパニー」を設置している。

 車載インダストリアルカンパニー社長を務める執行役員の月崎義幸氏は、「自動車に組み込まれるディスプレイの需要は、2017年から2025年にかけて年平均10%で成長する。現状、自動車に搭載されるディスプレイは、カーナビゲーション用ディスプレイと計器クラスタの一部に3型ほどの小型ディスプレイ程度。しかし、今後は、カーナビが進化しCID(センターインフォメーションディスプレイ)となり、クラスタの全面ディスプレイ化が進む他、エアコンやネット環境を制御するディスプレイ、HUD(ヘッドアップディスプレイ)、助手席用ディスプレイなども登場し、1台当たりに搭載されるディスプレイ枚数は5〜6枚になる」と車載向けディスプレイ市場の有望性を強調した。

 2016年度時点のJDIの車載向け売上規模は約900億円で「JDIが発足した2012年度と比べて1.5倍の規模。安定的に、当初計画通りに売り上げ規模を拡大してきた。ここに来てその成長は加速している。2019年度には2016年度比60%増の売り上げ規模を目指す」(月崎氏)

低温ポリシリコン、2021年以降は印刷方式OLEDで攻勢へ

 今後の成長に向けて、車載ディスプレイへの最新要求に満たす製品投入を積極化する。JDIは今後の車載ディスプレイに要求される要件として「狭額縁、薄型バックライト」「曲面、横長、シームレス」などを挙げる。これら要件を満たすディスプレイとして、2017年5月から車載向けに量産を開始した低温ポリシリコン(LTPS)液晶ディスプレイが優位にあるという。月崎氏は「LTPSは、従来のアモルファスシリコン(a−Si)よりも高精細化しやすく、a−Siは複数のドライバーICが必要になる大型サイズでも、1個のドライバーICで駆動でき、狭額縁化や曲面加工が行いやすいなどの利点がある。2019年度には、車載向けディスプレイ出荷の4割はLTPSが占めるだろう」との見通しを示した。

 なおa−Siについても、「ドライバー1個で駆動できる小型領域では底堅い需要がある」(月崎氏)とし、このほど、車載向けa−Siディスプレイの前工程製造拠点である鳥取工場の生産能力を10%ほど増強する設備投資を完了させている。

 狭額縁、薄型、曲面、横長といった今後の車載ディスプレイニーズを満たす技術としては「有機ELディスプレイ(以下、OLED)も意識している。車載ディスプレイで求められている160ppiクラスであれば、(蒸着方式よりも製造コストの安い)印刷方式の方が向く。(グループ企業である)JOLEDと共同開発を進め、2021年以降に車載向けに量産するための技術的なめどは立っている」(月崎氏)と述べた。
2017年09月01日

button_15.jpg  <シャープ>世界初の8Kテレビ、中国で先行発売へ 

8/31(木) 毎日新聞

 台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業傘下で経営再建中のシャープは31日、世界初の8K対応液晶テレビ「アクオス8K」(70インチ)を発表した。日本での発売は12月だが、中国で10月に先行発売する。世界展開を急ぐ鴻海の下で、市場規模が大きい中国を重視する戦略だ。また、2020年度にシャープが販売する60インチ以上の大型テレビの半分を8Kに切り替えたい考えだ。

 8Kは超高精細映像規格で、解像度はフルハイビジョン(2K)の16倍、普及が進む4Kの4倍で、臨場感のある画像が特徴だ。業務用の8Kモニターはあったが、一般消費者向けの8Kテレビは世界初。税込み価格は108万円前後になる見込みで、来年2月には台湾、3月には欧州で順次発売する。

 4Kと8Kの実用放送の開始は来年12月で、実用放送を視聴するには別途受信機が必要になるが、現行の地上デジタル放送でも8K並みの画質に変換して見ることができる。シャープは他社に先行して発売することで、市場をリードしたい考えだ。東京都内で記者会見した西山博一取締役は「(東京五輪が開かれる)20年に向けて、8K時代幕開けの起爆剤になりたい」と語った。

 シャープは8K液晶技術で競合他社に対して優位を保っており、ディスプレー事業の主軸に据える方針。次世代パネルの有機ELで先行する韓国メーカーなどとの主導権争いが激化しそうだ。シャープはカメラや放送受信機など8Kに対応した商品も投入していく考えで、西山氏は「医療や(監視カメラなどの)セキュリティー分野など8Kの用途は広い」と述べた。今後、米国でテレビの新ブランドを始める予定で、鴻海とともに次世代通信や人工知能と組み合わせて8Kの事業展開を進める。

 ただ、8K放送に積極的な放送局は、シャープとともに技術開発を進めるNHKのみとされ、今後、民放に追随する動きが出るかが、8Kの売れ行きを左右することになりそうだ。【土屋渓】


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2017年08月30日

button_15.jpg  鴻海・シャープ液晶連合「人材難」で米中の工場立ち上げに暗雲

8/30(水) ダイヤモンド・オンライン

 台湾・鴻海精密工業主導の再建で、業績が急回復したシャープ。だが、早くも、鴻海・シャープの液晶連合に難題が持ち上がっている。

 「優秀な技術者を確保できていない。とてもパネル工場の“米中同時立ち上げ”に間に合わない」(シャープ関係者)と、開発現場から悲鳴が上がっているのだ。

 すでに、鴻海は「10.5世代」と呼ばれる世界最大級のガラス基板サイズ(畳5枚半に相当)の液晶パネル工場を米国ウィスコンシン州、中国・広州の2カ所で立ち上げることを表明している。米国工場は2020年までに稼働開始、中国広州工場は19年の第3四半期に量産開始というスケジュールが組まれており、両工場の立ち上げ時期が重複している。

 この“米中同時立ち上げ”の実務を担うのが、鴻海とシャープとの共同運営会社、堺ディスプレイプロダクト(SDP)だ。共同運営とはいっても、実態はシャープの技術者の寄せ集め。要するに、鴻海ではなく、シャープの技術者が最新鋭工場を二つ立ち上げなければならないのだが、そのための開発リソース(人材、設備)の不足や技術開発の遅れが懸念されているのだ。

 その元凶は、5年前にさかのぼる。もともと、SDPは液晶パネルの「生産」に特化したシャープ子会社であり、「技術開発」についてはシャープ本体が担当するという役割分担になっていた。ところが、シャープが鴻海に買収される前の12年、本体よりも先にSDPが買収されてしまったことから事態がややこしくなった。「当時、鴻海への技術流出を恐れたシャープ本体が、SDPへの開発協力を拒み、技術を遮断してしまった」(シャープOB)のだ。

 皮肉なことに、鴻海がシャープの親会社となった今でも、この“技術の断絶”が尾を引いており、「SDPの技術レベルは、量産技術に長けたサムスン電子に比べて3年は遅れている」(同)という。

● サムスンを狙う中国勢

 にもかかわらず、シャープの「10世代」堺工場を立ち上げた技術者が大量に流出し、新たな人材も確保できていない。

 米中投資への決断が電撃的だっただけに、工場設備の調達も綱渡りだ。例えば、10.5世代に対応できるニコン製の露光装置をそろえられるかどうかが危惧されている。

 片や、ライバルとなる中国勢の鼻息は荒い。京東方科技集団(BOE)とTCL集団傘下の華星光電(CSOT)は、有機ELへのシフトを決めて液晶事業を縮小させているサムスンやLGディスプレイに狙いを定めて、金に糸目をつけずに技術者を引き抜いている。

 優秀な技術者の囲い込みにより、急速に技術レベルの底上げを図ろうとしている中国勢。鴻海・シャープ連合に試練の時が訪れている。

 (「週刊ダイヤモンド」編集部 浅島亮子)
2017年08月16日

button_15.jpg  <JDI>産業革新機構の投資判断に甘さ

<JDI>産業革新機構の投資判断に甘さ 8/9(水) 毎日新聞

 液晶パネル大手のジャパンディスプレイ(JDI)は経営再建に向け、主力行から1070億円の融資枠を受け、筆頭株主である官民ファンドの産業革新機構が債務保証することとなった。革新機構は昨年12月にも750億円を支援したが、JDIの経営状況は改善しておらず、革新機構の投資判断の甘さが浮き彫りとなっている。

 「資金繰りが苦しくなった昨年の時点で、リストラに大きく関与すべきだった」。革新機構幹部は8日夜、投資先であるJDIの経営のかじ取りの甘さを認めた。

 JDIは昨年、主要顧客である米アップルからの受注減で資金繰りが悪化し、革新機構に支援を要請。革新機構は、有機ELパネル開発を手掛けるJOLED(ジェイオーレッド)をJDIが子会社化し、競争力を強化することを目指して昨年12月、750億円の支援を決めた。

 だが、もくろみは外れる。スマートフォン需要の低迷で今年に入ってもJDIの業績は上向かず、2017年4〜6月期連結決算も最終(当期)赤字となった。

 JDIは今後、スマホで普及が進む有機ELパネルの実用化や自動車向け液晶パネルの生産に経営資源を集中させる戦略を描く。革新機構幹部は「上手に戦略を立て、JDIを持続的に成長できるようにしたい。白旗を揚げるつもりはない」と意気込む。しかし、有機EL、液晶パネルとも、JDIの競争環境は依然として厳しい。

 革新機構はこれまでも小型風力発電機を開発するゼファーや格安航空会社のピーチ・アビエーションなどに投資してきた。ピーチやルネサスエレクトロニクスでは出資額以上を回収したが、損失が発生したケースも多い。革新機構の損失は国民負担につながりかねず、JDIをはじめとする投資には慎重な判断が求められている。【小川祐希】
2017年07月27日

button_15.jpg  ウィスコンシンに8Kパネル工場、鴻海が米国投資発表

2017年7月27日 Y'sニュース

 鴻海精密工業の郭台銘(テリー・ゴウ)董事長が台湾時間の27日午前6時、米ウィスコンシン州に8K液晶パネル工場を設置する投資計画を、ホワイトハウスでトランプ大統領と共に発表した。投資規模は4年で100億米ドル。トランプ大統領が掲げる製造業の米国回帰政策に呼応した、米中間でバランスを取るための「政治投資」の側面が色濃く、郭董事長は嗅覚の鋭さとスピード感を見せつけた。支持率低下に悩むトランプ大統領にとっては大きなプレゼントとなった。中央社電などが27日報じた。

 トランプ大統領は「きょうは米国の労働者、米国の労働者、『メード・イン・USA』を信じる全ての人にとって偉大な日だ」と述べ、鴻海の大型投資を呼び込んだ成果を誇った。郭董事長を「私の友人で世界最高の経営者の1人」と呼び、計4回も握手、スピーチを終えて離れる際には左手を郭董事長の肩に回すなど、歓迎と感謝の意をアピールした。鴻海の投資により当初は3,000件、将来的には1万3,000件の就業機会創出が見込まれる。

 鴻海の米国投資構想が明らかになったのは昨年12月、トランプ大統の当選からわずか1カ月後のタイミングだった。トランプ大統領は選挙期間中、中国製品に高関税を課すことを示唆するなど中国への強硬姿勢を繰り返しており、中国を主要生産拠点とする鴻海は米中貿易摩擦に巻き込まる懸念があった。このため、トランプ大統領の製造業の米国回帰政策に乗って即座に米国に大型投資を決めたことは、リスク回避の上で重要な意義があった。

 鴻海の投資はウィスコンシン州から今後近隣のミシガン州やイリノイ州に広がると報じられている。ウィスコンシン州とミシガン州は昨年の大統領選でトランプ氏が僅差で勝った選挙区で、20年の次期大統領選に向けてトランプ大統領に恩を売った形となった。また、そうであるがゆえに鴻海は30億米ドル規模とされる大型の投資優遇措置も引き出すことができた。

 米国への大型投資は、鴻海の中国政府に対するカードを増やす意味も持つ。今年5月に李克強首相が直々に鄭州工場を訪問して、郭董事長に対し、高度な研究開発(R&D)を中国で行うことを含め投資継続を呼び掛けたことは記憶に新しい。

「5G+4K」構築

 郭董事長は「われわれは『眼球革命』の時代に生きている。高画質(8K)ディスプレイ技術と第5世代(5G)通信、ビッグデータと人口知能(АI)を結合して『5G+8K』のエコシステム(生態系)を構築する」とスピーチし、「特に8Kが鍵になる」との認識を示した。米国を投資先に選んだ理由については「米国には液晶パネル工場も8Kエコシステムもないため」と説明し、そこをわれわれが変えていく」と強調した。

 鴻海の米国投資計画「フライング・イーグル」は、サプライチェーンごと移転する大掛かりなもので、液晶パネル工場だけでなく、▽バッテリー▽機構部品▽バックライト▽LED(発光ダイオード)パッケージング(封止)──も含み、スマートマニュファクチュアリングを実現する方針だ。

投資の詳細28日に

 ウィスコンシン州のスコット・ウォーカー知事は、2020年までに投資を始めるとの内容の覚書(MOU)を、あすにも鴻海と正式に締結すると説明した。投資の詳しい内容は台湾時間の28日未明に明らかになる予定だ。
2017年06月28日

button_15.jpg  LGディスプレイの8.5世代工場で操業停止、台湾勢に転注か

2017年6月28日 ワイズニュース

 韓国LGディスプレイ(LGD)の第8.5世代液晶パネル工場(京畿道坡州市)の「P8−1」で24日、労災死亡事故が発生、原因調査のため最短2週間、最長1カ月にわたり、同生産ラインの操業が停止される見通しとなった。これによりガラス基板投入枚数5万〜6万枚の減産が予想され、友達光電(AUO)と群創光電(イノラックス)が転注を獲得するとみられる。今月に入りやや下落した液晶パネル価格が、早ければ7月に反発しそうだ。28日付蘋果日報が報じた。

 今回の死亡事故は、トラブルが発生した生産ラインの点検・整備中にエンジニアが機械に挟み込まれたもので、病院への搬送中に死亡した。

 市場調査会社、ウィッツビュー・テクノロジーは第3四半期の液晶パネル価格について、需要期入りに加え、今回のP8−1操業停止によって下支えされると予想。台湾メーカーを含め全てのパネルメーカーの業績向上につながると指摘した。

ソニー販売シェアにも影響か

 市場調査会社IHSマークイットの謝勤益(デビッド・シェイ)ディスプレイ研究総経理は、LGDの坡州8.5世代工場の月産能力はガラス基板投入枚数27万枚で、うちP8−1は8万枚と説明。操業停止期間にもよるが、2週間の生産停止ならば3万枚の減産になると予想した。

 謝総経理によると、P8−1ではテレビ用とモニター用の液晶パネルを生産しており、うち9割がテレビ用だ。主要生産サイズはテレビ用が32、49、55、65インチ、モニター用が21.5、23.8、27インチ。このうち、テレビ用の55、65インチ、モニター用の23.8、27インチは需給が逼迫(ひっぱく)しており、7月の出荷に影響が出るとみられる。

 LGDの液晶パネルの主な出荷先は、ソニー、パナソニック、LGエレクトロニクス。ソニーとLGは現在ハイエンド液晶テレビ市場で首位を争っており、LGDの今後の出荷状況がシェアを拡大できるか否かの重要なポイントとなりそうだ。一方ハイエンド市場で3位のサムスン電子は、LGDから7〜8月に入荷するのは43インチで、ハイエンド向けではないため影響はなさそうだ。

需給逼迫が悪化

 業界関係者は、P8−1の月産能力をガラス基板投入枚数13万枚、操業停止を2週間として試算すると、液晶パネルの減産規模は▽32インチ、10万枚▽49インチ、15万6,000枚▽55インチ、11万3,000枚▽65インチ、10万枚──と予測。液晶パネル市場で続く需給逼迫状態が、今後さらに深刻化すると予想した。
2017年06月01日

button_15.jpg  シャープが米国パネル投資明言、高付加価値製品に全力

2017年5月31日 Y'sニュース

 鴻海精密工業傘下、シャープの戴正呉社長は27日台北市で、米国での中小型パネル工場設置に8,000億円以上を投資すると初めて明言した。応用製品は携帯電話に限らないと述べ、アップルのiPhone以外に、車載用パネルなどの市場も開拓する意向だ。シャープは中期経営計画で、人に寄り添うIoT(モノのインターネット)と8Kエコシステムの実現を掲げている。鴻海グループの資金力とリソースを武器に、スマート化や8Kテレビをはじめ、大中小の高付加価値製品に全面攻勢をかける。28日付経済日報などが報じた。

 シャープの米国投資の詳細は9月に明らかになると予想されているが、戴社長は早いほどよいと語った。シャープのパネルは航空機にも採用されており、将来は航空、スペースシャトルなど政府機関の調達のほか、国防分野も可能だと述べた。

 戴社長はまた、6月末にも東証一部復帰を申請し、来年3月末までに実現させたいと語った。今年7月1日にはシャープの台湾支社を設立する予定で、米インフォーカスのテレビを台湾で販売するとも話した。

 戴社長はさらに、NHKと提携し、来年60〜80インチの8Kテレビを発売する予定だと明かした。コンテンツ充実のため8Kカメラは赤字でもやる価値があると語った。

カメラモジュールに注力

 戴社長は、シャープはカメラモジュール技術を保有しており、今後垂直統合を進め、将来どんな製品でもシャープの技術が必要になるようにすると語った。戴社長の就任後、シャープはカメラモジュール事業本部を設立しており、シャープ傘下のカンタツのカメラレンズで一貫生産を加速する構えだ。

 また戴社長は、マイクロLED(発光ダイオード)が8Kの鍵となる可能性があると語った。鴻海やシャープは先日、マイクロLEDの米ベンチャー、イーラックス買収を発表している。

 東芝メモリ売却入札について戴社長は26日、シャープに担当部門を設立しており、入札に加わるが、詳細は明かせないと語った。

台湾人幹部2人追加

 シャープは26日、6月1日付で4つのグループを新設し、IoTエレクトロデバイスグループのグループ長に劉揚偉取締役、アドバンスディスプレイシステムグループのグループ長に王建二氏(6月20日就任予定)が就任すると発表した。

 郭台銘(テリー・ゴウ)董事長は当初、日本人にシャープを管理させると述べていたが結局、戴氏が社長に決まり、続いて台湾人幹部が送り込まれている状況だ。劉氏は、鴻海S次集団総経理で鴻海傘下の虹晶科技(SOCLEテクノロジー)董事長。王氏は、鴻海傘下の業成控股(ゼネラル・インターフェース・ソリューション・ホールディング、GIS)董事でかつて市場調査会社IDC台湾区研究経理、ディスプレイサーチ台湾区総経理を歴任し、イノラックスに加わった人物だ。

車戴用パネルが有利に

 シャープの8Kテレビ推進は、群創光電(イノラックス)の出荷枚数増加、単価の向上にも貢献する見通しだ。

 シャープの今年の液晶テレビ出荷目標は1,000万台以上と、昨年500万台の2倍増だ。イノラックスは第2四半期に高雄市路竹区の第8.6世代工場を稼働する上、シャープのテレビ向けが貢献し、第2四半期の大型パネル出荷枚数が前期比5〜9%増と、業界で異例のプラス成長となりそうだ。

 また、イノラックスは今年ゼネラル・モーターズ(GM)のパネルを落札しており、シャープが米国工場を設置すれば、シャープとイノラックスは車戴用パネル市場シェアがますます高まりそうだ。IHSなどの統計によると、車戴用パネル市場シェアは▽ジャパンディスプレイ(JDI)、19%▽イノラックス、17%▽シャープ、15%▽友達光電(AUO)、12%▽中華映管(CPT)、11%──。
2017年05月09日

button_15.jpg  AUO4月1割減収、液晶パネル市場が後退局面入りか

2017年5月9日 Y'sニュース

 液晶パネル大手、友達光電(AUO)は4月連結売上高が前月比10.5%減少、瀚宇彩晶(ハンスター)は28.9%減少した。市場調査会社IHSマークイットは、テレビメーカーは過去1年半続いたパネル価格上昇により今や利益が出ないとして値下げを求めているほか、第2四半期パネル調達の下方修正を決めたと指摘した。パネル景気は山場を迎えており、今後は後退局面に入る可能性が高い。9日付工商時報などが報じた。

 AUOが8日発表した4月連結売上高は277億7,600万台湾元(約1,040億円)で、前年同月比では7.6%増だった。大型パネル出荷枚数は866万枚で前月比12%減、中小型パネル出荷枚数は1,275万枚で前月比0.2%増だった。

 AUOは前月比減収について、3月売上高が比較的高かった上、4月は海外の一部顧客が決算期末でパネル調達を控えたためと説明した。4月の対米ドルの台湾元高も影響したと付け加えた。

 ハンスターの4月連結売上高は14億7,800万元で前年同月比22.6%増だった。大型モニター用パネルと自社ブランド製品向け出荷枚数は10万2,000枚で前月比55.9%減少、中小型パネル出荷枚数は3,008万枚で前月比34%減少した。

テレビ生産大型化、赤字回避で

 IHSマークイットは、パネル価格上昇によってテレビ本体の製造コストが増加したが、テレビ販売価格に全て転嫁するわけにはいかず、テレビメーカーは利益が出るサイズのテレビ生産に転じていると指摘した。

 例えば、40インチ、43インチのテレビは赤字幅の拡大が続き、テレビメーカーのパネル需要は減少、値下げを求める声も強まっている。このため、より大型のパネルに需要が移行し、一時は大型パネルの価格上昇が続いた。ただ最近、中国のテレビブランドは55インチと65インチパネルの在庫が十分あるとして調達を控えている。一方、32インチテレビ価格は3月に値上げしたため利益が改善しており、テレビメーカーのパネル需要は安定している。

 IHSマークイットは、4月、5月のパネル価格は高水準が続いているが、第2四半期のパネル需要は縮小すると予測した。

 中国の市場調査会社、奥維雲網(AVC)の統計によると、中国の労働節(メーデー、5月1日)連休のテレビ販売台数は176万台で前年同期比13%減、販売額は64億人民元(約1,050億円)で2.5%減だった。販売額の減少幅が小さかった背景にはテレビの大型化があり、大型テレビ向けパネルを主力とするAUOと群創光電(イノラックス)への影響は比較的小さかった。



2017年05月01日

button_15.jpg  「ガラス基板の底力」コーニング精密素材、営業利益率30%台に回復

2017.04.30 ET News

液晶(TFT LCD)用ガラス基板の製造メーカのコーニング精密素材は、2016年の営業利益率が30%台に回復したことが分かった。LCD市況が反発したので、再び高収益を収めたとみられる。

営業利益率が30%台という数値は、サムスンディスプレイ、LGディスプレーなどのパネルメーカーより高い数値だ。ガラス基板の世界の1位企業として、技術力と市場支配力があるので、利益率の向上に影響を及ぼしたものと解釈される。

30日、業界によると、コーニング精密素材は、昨年の売上高は1兆8152億ウォン、営業利益5673億ウォンを達成したことが確認された。コーニング精密素材は、米国ガラス専門メーカーコーニングが株式の100%保有している所で、LCDディスプレイの重要素材であるガラス基板で1位の企業である。

この会社の監査報告書の分析結果、売上高は2015年比で1,623億ウォン増加し、営業利益は1,159億ウォン増えた。これにより、2016年の営業利益率は31.3%となった。 30%台の営業利益率は、韓国内の製造業界では異例の数値だ。2015年基準の国内製造業の平均営業利益率は5.1%である。製造業の平均のおよそ6倍を超える利益率をコーニング精密素材が記録した。

コーニング精密素材の成果は、同じディスプレイ業種内でも断然引き立って見える。サムスンディスプレイの営業利益率は10%未満である。コーニング精密素材営業利益率が週取引先であるサムスンのディスプレイより3倍多い。

さらに、半導体スーパー好況を享受しているサムスン電子の第1四半期の営業利益率(19.58%)がコーニング精密素材よりも低いほどだ。
2017年04月21日

button_15.jpg  3月輸出受注12%増、大型パネルが急成長

2017年04月21日 Y'sニュース

3月輸出受注12%増、大型パネルが急成長

 台湾の経済部統計処が20日発表した3月の輸出受注総額は前月比21.8%増、前年同月比12.3%増の411億2,000万米ドルで、同月として過去最高を更新した。液晶パネルなど精密機器が前年同月比39.3%増と最も伸び、中でも中国・香港からの受注が多かった。統計処は、テレビ需要が増加する中、韓国パネルメーカーの生産ライン閉鎖でパネル供給が減少しており、中国メーカーによる紅色供給網(レッドサプライチェーン)に、台湾メーカーが技術力で勝利したと分析した。21日付工商時報などが報じた。

 統計によると、液晶パネルなど精密機器の3月輸出受注は24億2,000万米ドルで、前月比15.4%増、前年同月比39.3%増だった。中国(香港を含む)からの受注が最多の66.8%を占め、前年同月比5億8,000万米ドルの大幅増となった。

 近年の紅色供給網の台頭で、台湾ハイテク産業は激しい競争に直面し、特に液晶パネルなど精密機器の輸出受注は4年連続の前年割れだったが、昨年11月にプラス成長に転じている。

 林麗貞統計処長は、テレビ需要の増加で、大型パネル価格は安定成長しており、韓国メーカーの生産ライン閉鎖による供給不足分を、技術力を擁する台湾メーカーが獲得したと説明した。

パネル以外もほぼ2桁成長

 製品別では、ICT(情報通信技術)3月輸出受注は113億7,000万米ドルで前月比17%増、前年同月比10.4%増だった。ノートパソコン、サーバーなどの組み立てやサプライチェーンの受注が増えた。

 電子製品は107億2,000万米ドルで前月比22.7%増、前年同月比11.9%増だった。例年3月は電子製品の在庫調整期だが、今年はハイエンドのファウンドリー、パッケージング・テスティング(封止・検査)や、DRAM、チップなどの需要が伸びた。

 その他の製品も、▽ベースメタル、23億9,000万米ドル(前月比22.8%増、前年同月比19.2%増)▽機械、21億8,000万米ドル(前月比32.3%増、前年同月比13.3%増)▽プラスチック・ゴム製品、20億1,000万米ドル(前月比20.8%増、前年同月比7.9%増)▽化学品、19億7,000万米ドル(前月比25.7%増、前年同月比12.1%増)――と軒並み増加した。

中国からの受注が過去最高

 国・地域別では、中国(香港を含む)の3月輸出受注は前月比23.3%増、前年同月比19.9%増の107億5,000万米ドルで、過去最高を更新した。うち36.3%を占める電子製品は前年同月比14.8%増となった。

 その他の国・地域は、▽米国、111億9,000万米ドル(前月比22.3%増、前年同月比15.4%増)▽欧州、73億5,000万米ドル(前月比10.2%増、前年同月比3.8%増)▽東南アジア諸国連合(ASEAN)主要6カ国、43億米ドル(前月比18%増、前年同月比9.2%減)▽日本、22億4,000万米ドル(前月比20.9%増、前年同月比16.4%増)──と、ASEANを除いて軒並み前年を上回った。

Q1も過去最高

 第1四半期の輸出受注総額は前年同期比12.6%増の1,108億5,000万米ドルで、第1四半期としては過去最高となった。ただ中央銀行(中銀)によると、台湾元の対米ドル相場は第1四半期に4.4%上昇しており、台湾元換算での成長幅は5.6%にとどまる。

 林処長は4月の展望について、製品別の輸出受注は2桁成長が続くと予測した。
2017年04月12日

button_15.jpg  中国が韓国製液晶パネル締め出し、台湾勢に好機

2017年4月12日 Y'sニュース

 中国が韓国による高高度防衛ミサイル(THAAD)配備への報復措置の一環として、国内テレビメーカーに対し、韓国メーカーからの液晶パネル調達を削減するよう指示したもようだ。これにより群創光電(イノラックス)と友達光電(AUO)は転注を獲得し、第2四半期のパネル出荷で前期比2桁増が期待できる。12日付工商時報が報じた。

 中国はこれまで、THAAD配備を決めた韓国に対し、中国国内のロッテマートの営業停止や中国人の韓国への事実上の旅行制限、韓国製バッテリー搭載電気自動車(EV)の補助金対象からの除外など、数々の報復措置を行ってきた。ここにきて韓国の対中輸出の3分の1以上を占める半導体・ディスプレイまで報復措置の範囲を拡大させたようだ。

 中国は液晶テレビ、スマートフォンの世界最大市場だが、液晶パネルの自給率は50%にとどまっている。中国パネルメーカーの▽京東方科技集団(BOEテクノロジーグループ)▽深圳市華星光電技術(CSOT)▽南京中電熊猫液晶顕示科技▽天馬微電子──などが生産能力拡大を急いでいるものの、現時点では中国国内で使われる液晶パネルの半分を輸入に頼っている状態だ。

超大型パネルは韓国優勢

 中国パネルメーカーは32、49、55インチなど中型の生産が中心で、大型パネルは台湾、韓国から購入している。韓国から調達を削減する分は中国メーカーでは対応し切れないため、多くを台湾メーカーへ振り向けるようだ。これによりイノラックスとAUOは、液晶パネル非需要期の第2四半期に出荷枚数を前年比2桁増に増やすとみられる。

 市場調査会社、ウィッツビュー・テクノロジーの邱宇彬・資深研究協理は、中国テレビブランドが販売を強化している65、75インチは、超大型パネルを全て海外から輸入していると説明。輸入割合は、65インチは台湾4割、韓国6割、75インチは台湾3割以下、韓国7割以上となっており、特に75インチは▽イノラックス▽AUO▽サムスン電子▽LGディスプレイ(LGD)──の4社からのみとなっている。

 邱協理は、65、75インチは韓国から購入している現時点で既に需給逼迫(ひっぱく)となっており、韓国からの大型パネル調達を削減すれば、中国テレビブランド自身が打撃を受けると指摘した。
2017年03月15日

button_15.jpg  フォックスコンも10.5世代の液晶工場を着工... BOE・チャイナスター次いで3番目

2017.03.07 ET News

日本のシャープを買収した台湾フォックスコンが中国で10.5世代液晶(LCD)工場を着工した。中国で10.5世代の大型液晶パネル製造の攻勢をしかける。シャープがすでに10世代での量産経験があるだけに、他のパネルメーカーの最大の脅威になるものと見られる。

フォックスコンは、最近に中国の広州で10.5世代LCD工場の起工式を開催した。現地で100以上の関連企業が参加している広州ディスプレイクラスタに参加する。コーニング、アプライド、東京エレクトロン、ニコンなど世界的な企業も参加する。 フォックスコンは2019年6月の完工を目標に広州ディスプレイクラスタに参加した。総投資額は610億元(約1兆円)である。65インチと75インチの8K解像度パネルを中心に、月9万枚を生産する計画である。 フォックスコンとシャープは、今回着工した広州10.5世代ラインのほか、日本の堺に10世代LCD工場を保有している。2009年の稼働を開始し、来年に月2万枚規模を増設することで、業界では予測した。装置の発注は、来年初めに行われるものと見られる。

button_15.jpg  シャープ、液晶TV国内生産撤退へ 「世界の亀山」に幕

朝日新聞デジタル 3/15(水)

 シャープの戴正呉(たいせいご)社長は14日、朝日新聞のインタビューに答え、2018年にも液晶テレビの国内生産から撤退する方針を明らかにした。三重県亀山市の亀山工場でつくったテレビは「世界の亀山ブランド」として一時代を築いたが、近年は採算が悪化していた。「アクオス」ブランドのテレビ生産は親会社の鴻海(ホンハイ)精密工業(台湾)に任せる。

 シャープの国内テレビ工場は現在、亀山と栃木県矢板市にある。年間の生産台数は非公表だが、計数十万台とみられる。04〜12年には「世界の亀山ブランド」と銘打ち、ライバルメーカーが海外にテレビの生産拠点を移すなか、高品質の国産テレビを売りにしてきた。

 だが最近は生産設備の老朽化が進み、中国など海外工場に比べて効率的に生産できなくなっていた。戴社長は「国内では無理。海外生産しないと、シャープの液晶テレビが売れなくなってしまう」と話した。国内は開発や試作、アフターサービスなどに絞る方針だ。

 約2千人が働く亀山工場は今後、スマートフォンやタブレット向けの中小型液晶パネルの生産に集中する。栃木工場の従業員約760人のうち、生産部門の約100人は既に営業部門に配置転換したという。(新宅あゆみ)
2017年03月03日

button_15.jpg  【韓国】大型液晶パネル出荷数、LGD首位奪われる

NNA 3/2

 1月の大型液晶パネルの出荷数で、中国最大手の京東方科技集団(BOE)が韓国のLGディスプレーを抜いて初めてトップに立った。韓国勢は供給量よりも、高級機器向け製品に供給することに注力している。2月28日付ソウル経済新聞が伝えた。

 英調査会社IHSマークイットによると、1月に9インチ超の大型TFT液晶パネルの出荷数で、BOEのシェアが22.3%で首位、LGディスプレーは21.6%で2位だった。次いで、台湾の友達光電(AUO、16.4%)と群創光電(イノラックス、15.7%)、韓国のサムスンディスプレー(9.9%)の順だった。

 大型液晶パネルはテレビやタブレット、ノートパソコン、モニターなどに用いられる。IHSマークイットは、従来トップのメーカーが高級機器向け供給に重点を置く戦略に切り替えたことを要因に挙げた。市場が液晶から有機ELへと移行する中、韓国勢は投資を有機ELに集中している。

 ただ、出荷面積ベースではまだ韓国勢が優勢だ。LGディスプレーのシェアが24.8%、サムスンディスプレーが16.1%で、イノラックス(14.7%)と続く。
2017年02月20日

button_15.jpg  窮地の“日の丸液晶”に再起のチャンス!

ニュースイッチ 2/19(日)

 ジャパンディスプレイ(JDI)が3期ぶりの当期黒字に王手をかけた。掲げる戦略は高価格帯スマートフォン向けでのシェア確保と、非スマホ領域の拡大の2本柱。3月末までに有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)ディスプレーを手がけるJOLED(東京都千代田区)も子会社化する計画で、多角化を図る。事業構造改革の兆しは見え始めた。それを成果として数字で示すことが再起の必須条件だ。

<白山工場「一時は売却することも頭をよぎった」>

 「一時は売却することも頭をよぎった」。JDI幹部が苦笑しながら明かすのは、スマホ向け液晶ディスプレーを生産する白山工場(石川県白山市)のことだ。当初予定から遅れること約半年、2016年末に量産稼働を始めた。高価格帯中国スマホ向けの採用が増え、全社の生産キャパシティーが逼迫(ひっぱく)したことが後押しとなった。

 16年10―12月期の中国向け事業の売上高は、前四半期比60%増で成長。3月末には中国向けの売上比率が40%に近づく勢いだ。モバイル事業を担当する柳瀬賢執行役員は「15年に開設した深センの事業開発センターが機能し始め、設計から販売まで好循環ができてきた」と説明する。

 従来は縦割り意識が強かった調達や営業など各部門を横串で通し顧客関係管理(CRM)を徹底。中国ファーウェイや同Oppo、同Vivoなどを取り込んだ。

<どうする有機EL対抗>

 現在の最大の課題は、曲げられるなどデザイン性が高くスマホへの採用ニーズが高い有機ELディスプレーにどう対抗するか。

 そこで投入するのが、4辺の額縁をなくした新型液晶「フルアクティブ」だ。組み合わせて見開き型にするのも可能で、中国メーカーなどとの交渉を開始。年内の量産を計画する。

 プラスチック基板を採用した曲げられるタイプも開発。18年の量産を目指す。有機ELよりもコストや低消費電力に優れる液晶で、同等のデザイン性が可能だ。

 IHSテクノロジーの早瀬宏シニアディレクターも「有機ELとも遜色なく、かなり期待できる」と評価する。

 本間充会長兼最高経営責任者(CEO)は有機ELにいかに食い込めるかが一つの分岐点になるとし「主要顧客に液晶の魅力を認めさせるためにも、フルアクティブの提案を非常に強化している」と明かす。

 「全社でのスマホ事業比率は下がるが、最大市場をあきらめた訳ではない」(柳瀬執行役員)。新型液晶の成否が、JDI復活の一つの指標となる。

有機EL戦略の一本化は難しい

 もう一つの柱である非スマホ事業の拡大。「ディスプレーの搭載領域は増えており、成長機会は十分ある」。有賀修二社長兼最高執行役責任者(COO)は、スマホで磨いた液晶技術を他の用途に広げるべく「技術ポートフォリオをそろえる」と強調する。

 車載向けの拡大に加え仮想現実感(VR)、パソコン、サイネージ、医療用モニターなどへの参入を狙う。すでにパソコン向けでは4社からの受注が決まり、VR向けでも複数社からの受注が確実だという。新規参入領域は17年度中の量産を目指し、非スマホ事業の売上比率を18年度に33%まで引き上げる。

<プラットフォーム技術に経営資源を投入>

 非スマホ事業の早期育成の軸が、プラットフォーム戦略。瀧本昭雄最高技術責任者(CTO)は「ディスプレーの根幹となるプラットフォーム技術に経営資源を投入し、製品やビジネスに近い領域ではオープンイノベーションを加速する」と説明する。

 事実、電子ペーパーでは台湾イーインク、次世代通信「5G」ではNTTドコモなど、協業先を増やしている。

 12年に始めた社外向け技術展示会の成果も出始めた。2年後の量産を視野に入れる技術を全社から集めて披露し、事業化につなげる。最近では「部門の垣根を越えた相乗効果で、段々と挑戦的な技術にも着手できるようになってきた」(瀧本CTO)。新規事業の下地は整いつつある。

 16年末、JDIは産業革新機構から750億円を調達すると同時に、JOLEDの子会社化を決めた。JOLEDは印刷方式の有機ELディスプレーの実用化に向け開発を進める。

 16年21・6型の4Kディスプレーを開発。1インチ当たりの画素数を示すppiは204で、液晶と同程度の低消費電力を実現した。現在は用途提案の実証試験中で、医療用や航空機、自動車といった分野への採用を目指している。

 石川県にあるJDIの拠点で量産を検討しており、年内のサンプル出荷を計画。JOLEDの東入来信博社長は「17年度末にも売り上げが立つ見通し」とする。今後はより高いppiの実現や、より大型のパネルへの展開も視野に入れる。

 大規模な装置やクリーンルーム、有機EL材料を塗り分ける型が必要でコストがかかる蒸着方式に比べ、印刷方式は大気中ででき、型が不要。

 東入来社長は「薄型、軽量、低コストが実現できる印刷方式は、日本に素材から装置までエコシステムが整っており実現に適している」と主張する。課題は高精細化が難しい点だ。

 JDIは高精細化が可能な蒸着方式の有機ELディスプレーで、18年度中の量産を目指している。ただ「顧客の要請を踏まえ共同で投資することを考えたい」(本間会長)と量産投資には慎重だ。

 今後JDIとJOLEDは販路や技術などの面で連携を深めることになる。しかし現時点では有機EL戦略の一本化は難しい。戦略が両社の思惑通りに進まず投資負担がかさみ、経営不安に陥れば「成長」のステージは再び遠くなる。
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