2021年11月12日

○Merckのインクジェット用の青色発光材料の寿命、前年比で65%向上と発表

2021年11月12日 UBIリサーチ

11月4日にオンラインで行われた「Display Insight 2021」で、Merckのグローバルアプリケーション責任者であるJoachim Kaiser氏が「Our OLED solutions – liviluxR」で発表を行った。Kaiserはlivilux製品のOLED材料の中のインク発光材料についてを発表し、「インクジェット印刷は大型ディスプレイ向けのサイズの拡張性とRGB並列ピクセルレイアウトを達成できる唯一の技術」と述べた。

Kaiserは、「インクジェット印刷で作るデバイスの性能を最大限に高めるには、最先端のOLED材料と各アプリケーションに最適化されたインク配合、デバイススタック構造の徹底的な理解と最適化が必要だ」と強調し、「Merckではこれまでの蒸着用材料の開発経験があるので、インク発光材料の性能向上でもその経験を生かせる。」と発表した。

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Merckは昨年と今年発表した性能を比較し、発光効率(cd/A)は赤が前年比46%、緑が10%増加し、青は変化がなかった。外部量子効率(EQE)は、赤が20%増加した34.1%、緑が5%増加した28%であり、青は発光効率と同様に変化がなかった。寿命部分では緑が20%、青は65%に大きく改善された。赤の寿命はLT95基準で4,000時間であり(昨年の赤の寿命はLT95基準で8,300時間)、現在は効率改善で減少した寿命を増加させるために最適化中である。

Kaiserは、「Merckでは、青色OLED効率の改善、新しい種類のエミッタ電極、RGBのサイドバイサイド印刷技術など、OLEDパネル設計の問題点に対するソリューションを提示するために絶えず努力している」と強調した。

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2021年11月09日

韓国の有機EL材料メーカのDuksan Neolux が、今年の第3四半期で昨年の年間売上高を超える急成長

2021.11.08 ET News

Duksan Neoluxの有機EL(OLED)材料を採用する電子メーカが増えたことに支えられ、第3四半期の市場見通しを上回る売上を記録した。

Duksan Neoluxは8日、売上586億ウォン、営業利益162億ウォンの第3四半期の実績を公示した。昨年同期比で売上高は44.3%、営業利益は45.9%増加した。第3四半期の累積では売上高1446億ウォンを記録、すでに昨年の年間実績(1441億ウォン)を超えた。

市場ではDuksan Neoluxが第3四半期の売上高527億ウォン、営業利益153億ウォンを出すと見通したが、実際にはこれを上回った。

OLED用有機材料を生産するDuksan Neoluxは、OLEDパネルを採用する電子機器が多くなるほど実績にプラスの影響を受ける。昨年のOLED浸透率は30%にとどまったが、今年は36%、来年45%まで高まる見通しだ。Appleと中国企業のOLED採用が増加した影響だ。特にノートパソコンやタブレットは、OLEDパネル面積がスマートフォンに比べて4〜6倍大きいので素材メーカーが利益を得る。

Duksan Neoluxは今年、工場稼働率が96.9%に達するほどで、急増するOLED材料の注文に応じるために工場をフル稼働している。

証券街では、Duksan Neoluxの今年の年間実績が1900億ウォンに達し、来年は2000億ウォンになると見通した。

Duksan Neolux関係者は「ゲーム機、タブレット、ノートパソコン、テレビなど中小型OLEDディスプレイから中型および大型OLEDディスプレイに、従来のLCDからOLEDに切り替えられるなどで、OLEDパネルの適用がさらに加速されるだろう」と話した。

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2021年10月05日

量子ドット市場、2026年に86億ドル

October, 5, 2021, Laser Focus World

Northbrook--マーケッツ&マーケッツ(MarketsandMarkets)のレポート「量子ドット市場、COVID-19影響分析、材料(カドミウムベース、カドミウムフリー)、製品(量子ドットディスプレイ、その他の製品)、業種(コンシューマ、商用、ヘルスケア、防衛、テレコム)、地域、2026年までのグローバル予測によると、世界の量子ドット市場は、2021年に40億ドル、2021-2026年の期間にCAGR 16.2%成長で、2026年に86億ドルに達する見込である。

量子ドット世界市場の急成長は、ディスプレイデバイスにおける量子ドット需要急増、従来のディスプレイに対する量子ドットの利点、量子ドットの多様なアプリケーションなどが成長因である。

カドミウムフリー量子ドットが予測期間に量子ドット市場で最高成長率
 電子製品におけるカドミウム濃度の増加は、人の健康にも悪影響を及ぼす。量子ドットでも、カドミウム濃度は、規制当局の承認に適したレベル以下に維持されなければならない。しかし、メーカーは、量子ドット製造のために適切な代替品の利用をますます増やしている。カドミウムフリー量子ドットの需要増が、市場の成長を後押しすると予測されている。

量子ドットディスプレイが、予測期間に最大市場シェア
 高い発光効率、高輝度、低消費電力などの特性により量子ドットはディスプレイに最適である。量子ドットにおける無機材料の利用が、他のディスプレイに見られるバーンインを阻止する。量子ドットディスプレイ利用の多くの利点が、量子ドットディスプレイの成長を促進する主因である。

予測期間にAPACが量子ドット市場の最大シェア
 APACは、世界の量子ドット市場で最大シェアである。市場成長の主因には、多くの確立されたティスプレイメーカーが存在すること、量子ドット技術に関係するR&D活動に関わる市場プレイヤや研究機関の数が増えていること、進捗するディスプレイエコシステムの進歩、量子ドットディスプレイ需要増が含まれる。

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2021年09月16日

韓国のSolusが高屈折フィラー、TFEなどの有機EL発光材料などの新規事業を拡大

2021年9月10日 UBIリサーチ

2021年9月に開かれた「GLOBAL TECH KOREA 2021」でソールルース(Solus)先端素材キム・テヒョン電子材料事業本部長は「Solus Giant Step To Lead OLED Materials Technology」をテーマに発表を行った。

ソールルース先端素材は、国内のディスプレイ材料の専門企業として、8年以上HBL市場を独占してきた。ソールルース先端素材の金部長は「HBLを開発してみると、化学構造が似ていてHBLとの相性が重要なETLも開発した」とし「現在はETLを量産中のパネルメーカーに評価も受けている。性能は他社のトップ性能比と同等もしくはそれ以上に評価されており、すぐに市場に参入することができるだろう」と展望した。

続いてキム本部長は「電子と関連しているETLやHBLを主に開発したが、全体的な素子の観点から開発するのに困難があり、ホールに関連するHTLの開発も進めていた」とし「LGディスプレーと共同開発し、2年前にHTLの開発が完了し、5月に大型パネル用に承認された」と述べた。また、「パネルの供給量が徐々に増えており、来年には広州のラインにまで拡大するだろう」とし「HTLは構造的に、モバイルのgプライムし関連が多く、モバイル側のgプライム側にも拡大することができていると期待される」と述べした。

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ソールルース先端素材は発光材料だけでなく、高屈折フィラーとTFEも開発中である。キム本部長は「今年からフィラーの量産が具体化される予定」とし「フィラーは、屈折率が1.6以上のポリマーであり、屈折率の差によって光の効率を高める(光を引き出す)ことができる材料である。エポキシ、ウレタン、アクリルタイプなどの材料も多様で、屈折率と粘度コントロールも、顧客の仕様に合わせて量産を行う予定である」と述べた。

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TFE部門で金部長は「現在の市場で使用されてTFEの誘電率は3.0以上であり、タッチ感度を高めるためにモノマーの誘電率を30%以上は下げてほしいという要求を2年前から入手し開発してきた」とし「当社で開発中のTFEモノマー誘電率は、従来よりも20%まで下がっており、UV CUT機能も400ナノメートルの近傍で5%以下のスペックを達成し、お客様のプロモーションとテスト中」と発表した。

ソールルース先端素材は、現在HBLとETL、HTLなど、様々なOLED用発光材料だけでなく、高屈折材料、TFEモノマーなど多様なOLED関連事業を拡大している。このような多様な事業群が、将来的にどの領域で成功できるか注目される。
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2021年09月06日

2021年下半期でのOLED発光材料の市場予測

2021/9/6 UBIリサーチのWeekly Display Industry Analysis Report

2021年発光材料全体の市場は17.2億ドルになると予想される。

2021年、サムスンディスプレイの発光材料購入額は7.9億ドルと予想され、LGディスプレイはApple向けOLEDパネルとTV用WRGB OLEDパネル出荷量の増加により、小型OLEDで1.7億ドルと大型で3.25億ドル規模に発光材料を購入すると見込まれる。

BOEは2021年に2.4億ドルの規模の発光材を購入し、中国内で最も多くの発光材料を購入する会社になると予測される。その次に、Visionoxが6,100万ドルの材料を購入すると見込まれる。

2025年スマートフォン用OLED出荷量は6億台半ばから後半と予想され、LGディスプレイのWRGBパネル出荷量もキャパと歩留まりの確保に基づいて2025年には1,300万台を超えると見られる。

これにより、2025年発光材料全体の市場は21.7億ドルになると予想され、年平均成長率は9%と見込まれる。

国別に見ると韓国のパネルメーカーの発光材の購入額は2021年に12.8億ドル、2025年には15.7億ドルになると予想される。年平均成長率は5.1%である。

中国のパネルメーカーの発光材の購入額は2021年に4.3億ドル、2025年には6億ドル水準になると見える。年平均成長率は8.8%である。

今後5年間、韓国パネルメーカーの発光材購買のシェアは全体の73.2%を占めると予想される。サムスンディスプレイの発光材の購入割合が引き続き高い状況の中で、LGディスプレイの大型OLED用発光材料市場もさらに拡大するものと期待されるからである。

蒸着方式別に見ると、RGB OLED方式が2025年までに市場全体で79%の最も高いシェアを占めており、大型TVで使用されてWRGB OLEDやQD-OLEDよりも高いシェアを占めると予想される。

LGディスプレイのWRGB OLED発光材の購入額はパネル出荷量の増加に応じて、2025年までに全購入額で19.3%のシェアを維持するとみられる。

サムスンディスプレイのQD-OLEDが30Kの投資にとどまったと仮定すれば、65インチパネルの基準で出荷量が年間100万台にならないと考えられ、購入のシェアは1.7%にとどまると予想される。

(UBIリサーチのWeekly Display Industry Analysis Reportは一週間のOLEDを含めたディスプレイ産業で発生する毎週の情報を分析し、お客様にご提供するレポートです。本 Reportは1年間提供される有料サービスで、毎週月曜日にUBIリサーチから契約したお客様にメールで直接配信しております。お問い合わせは分析工房までお願いします。)

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2021年09月04日

ヘテロナノグラフェン構造を用いた 高効率・狭帯域青色発光体の開発に成功、有機EL材料への実用化を目指す

2021年7月21日

 茨城大学の吾郷 友宏 准教授、九州大学の安田 琢麿 教授、京都大学の時任 宣博 教授らの研究グループは、硫黄原子を導入した有機ホウ素化合物を活用することで、優れた発光効率と色純度を併せ持つ有機EL用の青色蛍光体の開発に成功しました。今回の成果は、9環縮環ナノグラフェン骨格の適切な位置にホウ素、窒素、硫黄原子を導入することで、発光の狭帯域化と逆項間交差の加速を同時に達成し、青色有機ELの色純度と性能の向上を達成したものです。今後は、開発した青色発光体の有機EL材料への実用化を目指します。
 この成果は、2021年7月15日付でドイツ化学会の雑誌Angewandte Chemie International Editionに速報版(オンライン)として掲載されました。

背景
 有機ELは、軽く、フレキシブルで、輝度、コントラストやエネルギー効率にも優れることから、次世代のフラットパネルディスプレイや照明装置の開発に向け、世界的に活発な研究が行われています。有機ELの発光体として蛍光材料、リン光材料、熱活性化遅延蛍光(TADF)材料が利用されています。しかし、一般的な有機蛍光化合物は、EL発光効率が低いという課題があり、リン光、TADF材料は、高いEL発光効率を示すものの色純度が低いという課題がありました。
 そうした中、2016年に、ホウ素と窒素の多重共鳴効果を利用することで高い発光効率と色純度を兼ね揃えたTADF分子の開発が報告されました。この報告以来、多重共鳴効果を利用したTADF分子が活発に研究されています。しかし、多重共鳴効果を利用したTADF材料に関しては、逆項間交差が比較的遅いため、高輝度時の発光効率低下(ロールオフ)が実用化における課題となっており、これらを解決するための新しい分子デザインが求められています。

研究手法・成果
 研究グループのメンバーはこれまで、硫黄原子の重原子効果を利用することで、スピン反転を加速し逆項間交差を高速化することにより、EL特性が向上することを見出しております。
 今回、本研究グループでは、9個の6員環が縮環したナノグラフェン骨格の適切な位置にホウ素、窒素、硫黄原子を導入した新規ヘテロナノグラフェン分子であるBSBS-N1を開発し、3種類のヘテロ元素融合による多重共鳴効果に基づくTADF特性の発現と発光スペクトルの狭帯域化と、硫黄原子の重原子効果による逆項間交差の高速化を達成しました。

 BSBS-N1はスカイブルー領域に極めて狭い発光バンド(半値全幅25nm)を示し、高い色純度を有することが分かりました。またBSBS-N1は、これまでに報告されている多重共鳴型のTADF分子で最速の逆項間交差速度(kRISC = 1.9×106 s-1)を示しました。これは、一般的な多重共鳴型TADF分子に比して10〜1000倍も大きな値であり、BSBS-N1の2つの硫黄原子の重原子効果によって逆項間交差が促進されたと考えられます。
 BSBS-N1を用いた有機EL素子は最大外部量子効率が21.0%と高い値を示し、スカイブルー領域の多重共鳴型TADF分子BBCz-SBと比較して高電流密度・高輝度領域での発光効率低下(ロールオフ)が抑制され、高輝度領域でも優れた発光効率を持つことが明らかになりました。BSBS-N1では、逆項間交差の高速化によって電界励起子の失活過程が抑制され、電力エネルギーを効率的にEL発光に変換できたと考えられます。

 今回の研究は、9環縮環ナノグラフェンにホウ素、窒素、硫黄原子を適切な位置に導入し、青色EL材料としての良好な特性が実現できることを、種々の実験・理論化学的検討から明らかにしており、今後の青色有機発光体の開発における重要な分子設計指針を与えるものといえます。
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2021年08月04日

産総研など 次世代有機LEDの発光効率低下の原因解明

2021年7月28日 日刊ケミカルニュース

 産業技術総合研究所(産総研)、筑波大学、高エネルギー加速器研究機構、九州大学の研究チームはこのほど、次世代有機LED材料の電子の動きを直接観察することに成功し、発光効率低下の原因を解明した。

 有機LED(OLED)は、外部からの電気刺激により励起状態となった分子中の電子が元の状態(基底状態)に戻る際に発する光を利用したデバイスだ。しかし、最も多く生成する励起三重項状態は発光しにくい性質があり、この状態をどのように発光させるかが大きな課題である。

 OLED用発光材料の1つである熱活性型遅延蛍光(TADF)材料は、巧みな分子設計によりレアメタルを使用することなく、励起三重項状態を熱エネルギーによって励起一重項状態に遷移させることが可能で、内部量子効率(励起電子数に対する生成光子数)は理論限界である100%に達する。薄膜構造の制御により外部量子効率(材料内生成光子数に対する外部放出光子数)の向上が見込まれることから、単一膜デバイスが注目されているが、単一膜の励起三重項状態が発光しにくい理由は解明されていない。TADF材料の発光は、励起状態の電子の動きに支配される。

 今回、改良した時間分解光電子顕微鏡を使い、TADF薄膜のTADF発光過程の電子の動きを直接観察することが可能になり、励起電子の生成・発光による失活・無輻射失活過程までの電子の動きを捉えることに成功。その結果、励起電子により生成した励起子が自発的に解離して長寿命の電子を生成し、TADFの発光効率を低下させていることを突き止めた。この励起子解離の過程と量を捉えられる観察手法は、TADF薄膜の光物性の系統的な解明に資するものだ。これにより、まだ十分な理解が得られていないTADF発光過程の詳細が明らかになり、TADF薄膜材料を利用した超高効率OLEDの開発推進が期待される。
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岩手大ら,有機EL試料内部の電位分布を直接観察

2021年07月29日 Optronics

岩手大学とファインセラミックスセンター(JFCC)は共同で,JFCCが独自に改良してきたナノスケールの電位観察手法である電子線ホログラフィーを用いることで,有機ELデバイス内部に形成された電位分布を定量的に直接観察することに成功した(ニュースリリース)。

有機ELは長寿命化など更なる性能の向上が望まれている。そのためには,デバイス内で電子が流れる「原動力」となる電位分布を計測することが重要だが,LED照明のような従来型の無機半導体を用いた発光デバイスと比べ電位分布が複雑であり,発光メカニズムの詳細は明らかになっていなかった。

今回,有機EL試料の観察に用いた電子線ホログラフィーは,透過電子顕微鏡(TEM)技術の一つであり,ナノメートル領域の電位分布を定量的に観察できる特長がある。

この手法は入射電子線の干渉性を上げるためにできるだけ電子線を拡げた低い照射密度の条件で観察するため,通常のTEM観察よりも試料への電子線ダメージを抑えることができるという。そのため,一般的に電子線に対して脆弱である有機材料の観察に有効と考えた。

さらに,より高い精度で電位分布を計測するため,JFCCが独自に改良を重ねてきた技術である位相シフト電子線ホログラフィーを用いた。これにより,1.8nmの空間分解能と0.01Vの電位検出感度を実現し,シャープな電位分布像を得ることに成功し,ナノスケールでの電気的特性を詳細に明らかにした。

これにより,有機EL試料の層内に生じる電位分布を観察することができた。これらの電場が形成された要因について考察し,@α-NPD層内での正孔の蓄積,Aα-NPD/Alq3界面での電子の拡散,BAlq3の電気的偏りによって,電子および正孔が蓄積し,電場を形成していることを示した。

他の手法を用いたこれまでの研究で,有機層内部の電場形成要因についての報告はあったが,今回の研究ではそれらが複合的に作用し,実際のデバイス構造とどのように対応するかを直接示すことに成功した。

さらに,計測された電場の方向と値は他の手法で計測された値と同等であり,電子線ホログラフィー計測による有機EL試料内部の電位分布計測が極めて有効であることも示した。

今後,TEM内でデバイスを動作させながら観察することで,発光前後やデバイスの劣化前後における電位分布変化を捉えることが可能になるという。研究グループは,これらの観察結果とシミュレーションの結果を効率的に作製プロセスへフィードバックすることで,より高効率・高寿命なデバイスを迅速かつ低コストで開発することに繋がるとしている。
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2021年08月03日

P&H Tech、LGディスプレイにアップル向け「高屈折CPL」単独供給... LG化学に替わり

2021.07.30 The ELEC

P&H Techが、LGディスプレーのAppleのiPhone用有機EL(OLED)向けの材料である高屈折CPL材料を単独供給する。LGディスプレーは、この素材を、これまではグループの系列会社であるLG化学から供給受けたが、今回はP&H Techに供給先を変えた。今回の素材は、下半期に出てくる、iPhoneの新製品に適用される予定である。

30日、業界によると、P&H Techは下半期発売予定のAppleのiPhone 13(仮称)シリーズ用高屈折CPL(Capping Layer)をLGディスプレーに単独で納品するものと把握された。

CPLはOLEDからの光を出す機能層の陰極上に蒸着する補助層である。発光層から出た光が電極(陰極・陽極)で繰り返し反射されるときに表示される損失を低減し、光がディスプレイに向けての役割をする。高屈折CPLは、従来CPLの材料特性を変えて屈折率を高めるように、消費電力を削減することができる。

アップルは、既存のCPLの代わりに高屈折CPLを、今回のiPhoneの新製品から適用する。CPLの材料特性が変わり、P&H Techが高屈折CPLの単独サプライヤに指名された。既存のCPLを供給していたLG化学は苦杯を飲んだ。

P&H Techは高屈折CPL納品で売り上げの改善効果を見ることができる見通しだ。P&H Tech顧客であるLGディスプレーは、今年はiPhoneの新製品OLEDパネル供給量が昨年より増える見込みである。iPhoneの新製品OLEDパネルはLGディスプレーが3000万台、サムスンディスプレイが8000万台生産する計画である。

LGディスプレーが今年、iPhoneの新製品向けに供給しているOLEDパネル3000万台は昨年1年間、アップルに納品したiPhoneのOLEDパネル2500万台よりも20%多い。昨年のiPhoneの12シリーズなど、従来のモデルまで加えるとLGディスプレーは今年5000万台、サムスンディスプレイは、1億2000万〜1億3000万台のiPhoneのOLEDパネル納品するものと見られる。

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有機EL(OLED)の構造(左)とP&H Tech適用素材と主要競合他社(出典:P&H Tech)。OLEDパネルでは、陽極(Anode)と陰極(Cathode)を介して入ってきた正孔(Hole)と電子(electron)が発光層(EML)で結合して光を出す。このため、それぞれの注入層と輸送層が、電子と正孔注入の移動を助ける。陰極上に成膜する補助層であるCPL(Capping Layer)材料特性を変更して、屈折率を高めることができる。

アップルは、今年のiPhoneの新製品の部品注文を例年(7500万台)より20%多くの9000万台にしたことが分かった。変更の推定は、ティム・クックアップル最高経営責任者(CEO)が、27日(現地時間)の発表で明らかにした「チップ需給」から判る。最近の業界では、完成車に続き、スマートフォン業界もチップ不足による生産支障が拡散するという見通しが出ている。

P&H Tech売上はLGディスプレーの割合が最も大きい。P&H TechはLGディスプレーの大型(8.5世代)OLEDにも材料を供給している。P&H Techは、LGディスプレーの大型OLED用のブルーホストを米国デュポンの相手先ブランドによる生産(OEM)方式で製造して供給する。

この会社は今年上半期にコスダックに移転上場した。会社側は今年上半期の実績が昨年の年間実績を上回るものと期待している。今年の売上予想は220億ウォンで、昨年の年間売上高(85億ウォン)の2.6倍だ。

一方、OLED材料は、下から陽極(Anode) - 正孔注入層(HIL) - 正孔輸送層(HTL) - 発光層(EML) - 電子輸送層(ETL) - 電子注入層(EIL) - 陰極(Cathode)の順で順番に製膜する。このような機能層は、電気・光学特性の実装に必要な最適な発光条件があって、これを簡単に変更することは難しい。このためにCPLの補助層を陰極上に製膜して、光学特性を補正する。

ただしCPLを通じた電力効率の改善効果はOLEDの薄膜トランジスタ(TFT)技術の電力消費量の削減には影響が及ばない。CPL材料特性を変更して電力効率を高めることができるが、全体のパネル駆動次元の電力効率の向上効果は得られない。
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2021年07月19日

JNC、液晶材料、中国に比重 技術支援・R&D最適化

2021年6月11日/2021年6月4日 化学工業日報

 JNCは液晶材料事業で中国市場の開拓を加速する。テクニカルサービス(TS)センターと呼ばれる技術営業拠点を中国で強化する。加えて、中国ローカルメーカーに対する競争力強化に向けた新たな施策も準備する。

同事業では、市場環境の変化とともに日本や韓国で構造改革を進めている。毎年顧客から一定の値下げが要求される厳しい市場環境のなか、価格競争力を高め市場シェアを確保し、早期の黒字化を目指す。

 また、有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)材料で韓国市場を深耕する。同国素材大手のSKマテリアルズと2021年4月に合弁会社を設立。両社が持つリソースを掛け合わせて材料開発、顧客提案のスピードを上げ、早期に成長軌道に乗せる。

有機EL材料事業として22年度に営業黒字化を果たし、中期的には売上高100億円規模に育てる計画だ。
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2021年06月29日

次世代有機EL材料の電子の動きを直接観察することに成功

June, 29, 2021, Lase Focus World

つくば--有機EL(OLED)は、次世代のディスプレイ材料として期待されている。中でも、熱活性型遅延蛍光(TADF)と呼ばれる特異な発光を示す分子材料は、軽元素のみからなり、発光量子効率100%の実現が可能であることから、次世代OLEDの中心を担う材料として大きく注目され、盛んに研究が進められている。

TADF材料の発光を支配するのは、励起状態の電子の動き(ダイナミクス)。従来、電子のダイナミクスは、発光から間接的に推測されてきたが、直接的な計測は困難だった。今回、改良した時間分解光電子顕微鏡(TR-PEEM)を用いることで、構造がよく制御されたTADF材料の薄膜に対して、TADF発光過程の電子のダイナミクスを直接観察することが初めて可能になりった。これにより、励起電子の生成から、発光による失活、また、濃度消光と呼ばれる特異な無輻射失活過程までの電子の動きを捉えることに成功した。また、観察の結果、励起電子により生成された励起子が自発的に解離することで長寿命の電子が生成され、この電子がTADFの発光効率を低下させていることを突き止めた。

研究成果は、TADF発光過程の本質を理解するための基礎的な知見とな.。よく制御された薄膜中での励起電子のダイナミクスを系統的に研究することで、高性能のTADFデバイスの開発が加速されると期待される。

(詳細は、https://www.aist.go.jp)
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2021年06月17日

Kyulux, SID Display week 2021で最新のTADF/Hyperfluorescence™技術パフォーマンスを発表

2021年6月1日 Kyulux

Kyuluxは、5月17日−21日で行われたSID Display week 2021で最新の開発進捗状況を公表しました。

Kyuluxの赤と緑の材料は、現在、赤色が37,000時間以上、緑色が20,000時間以上と実用上問題のない寿命(LT95)を達成しており、青色については、ボトムエミッションで280時間 (LT95) を達成しています。

さらに、シミュレーションによってHyperfluorescence™(HF)発光技術が、リン光 (Phos)よりも効率的であることを示しました。

Hyperfluorescence™(HF)は半値幅 (FWHM)の狭い発光が特長です。

Green-HFはFWHM=34nmと、色純度の高い発光を実現しており、半値幅の狭いHFはトップエミッションにすることで、効率や輝度の性能を、リン光よりも効果的に向上させることができます。シミュレーション結果によると、TE-HFは、TE-Phosに比べて外部量子効率(EQE)が約10%、また、ピーク時の輝度は60%以上も高くなります。このことから、TEを用いるスマートフォンにとってHFは最適な発光技術と言えるでしょう。

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2021年06月15日

○ソリュース先端素材、LGディスプレイに「正孔輸送層」を量産供給と発表

2021年6月15日 コリア・エレクトロニクス

ソリュース先端素材(Solus Advanced Materials)は独自の技術で開発した正孔輸送層(Hole Transport Layer、HTL)が、LGディスプレイの最終的な承認を獲得し、6月中旬に量産供給を控えていると明らかにした。

ソリュース先端素材は既存の顧客であるサムスンディスプレイと中華圏のパネル社にもOLEDパネルのコア材料を現在供給中である。

今回LGディスプレイに供給する正孔輸送層(HTL)は、TV用OLEDパネルに適用する予定で、ソリュース先端素材が独自の特許を保有している。

OLEDパネルは、電流が移動する共通層と光を出す発光層で構成されている。共通層に属する正孔輸送層(HTL)は、発光効率とパネルの寿命を左右する核心素材としてOLEDパネル層のうち、使用量が最も多い。

キム・テヒョン=ソリュース先端材料、電子材料事業本部長は「LGディスプレイへの新規納品の成功により、製品ポートフォリオの多角化と顧客の多様化という二兎を得たことになる」とし「坡州工場の生産ラインに正孔輸送層(HTL)の供給を段階的に拡大することを目標にOLED TVの普及元年に対応する」と語った。

一方、ソリュース先端材料の電子材料事業本部は、3年連続で年間30%の売上成長を遂げ、同社の高付加素材事業能力を一層高めた。主力の売上高製品正孔防御層(Hole Blocking Layer、HBL)は、独自の特許に支えられ、OLED有機材料の市場で8年連続独占的地位を享受している。 2021年初めには、約230億ウォンを投資して、中国江蘇省にOLED材料工場を着工し、グローバル事業への進出を公式化している。

2021年下半期から、発光材料に加えて、高分子EN材料・QD(量子ドット)のインクなどの非発光材料でまで事業領域を大幅に拡大して長期的な成長動力を確保する計画だ。
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2021年06月04日

○有機EL材料大手の米UDC、20年の売上高はほぼ横ばい想定

6/3(木) LIMO

 有機EL用燐光発光材料メーカーのユニバーサルディスプレイコーポレーション(UDC、米ニュージャージー州)は、2020年(20年12月期)の売上高が3.85億〜4億ドルになる見通しだと発表した(19年実績は4.05億ドル)。ファーウェイへの制裁がスマートフォン(スマホ)用有機ELに影響し、収益の伸びを欠く見込みだ。

7〜9月期は中国向けの売り上げが増加
 先ごろ発表した20年7〜9月期の業績は、売上高が前年同期比20%増の1.17億ドル、営業利益は同19%増の4843万ドルとなった。売上高1.17億ドルのうち、発光材料の売上高は同33%増の6871万ドル。発光材料のうち、黄緑色を含めた緑色発光材料の売上高は同32%増の約5290万ドル、赤色発光材料は同33%増の約1520万ドルといずれも伸びた。

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 地域別の売上構成比は、韓国向けが6667万ドルと前年同期比で5%減少した一方で、中国向けは4357万ドルと同88%も増加した。韓国のLGディスプレー(LGD)が中国広州でテレビ用有機ELの8.5世代(マザーガラスのサイズ2200×2500mm)工場を本格的に稼働させたことなどが追い風になったとみられる。

ファーウェイ向けの下ぶれが影響
 米国の規制によって半導体などが調達できず、スマホ事業が下ぶれしているファーウェイについては「アップルやオッポ、ビーボらが穴を埋め、有機EL全体の成長を損なわなければ、当社に全く影響はない」と述べたが、一方で「有機EL業界すべてに影響を与える」とも語り、一時的に発光材料の需要にマイナスの影響が出るとの見方を示した。ファーウェイは中国スマホメーカーの中でもハイエンド機種が多く、有機ELディスプレーの搭載比率が相対的に高い。

 また、UDCの業績拡大につながる「21年末までに世界の有機ELディスプレーの生産能力がインストールベースで19年末比5割増加する」という前提についても、「長期的な成長は依然として強いが、流動的で、少しシフトアウトするかもしれない」と述べた。

今後はテレビ用有機ELの増加に期待
 通期見通しの中間値を元にすると、20年10〜12月期の売上高は1.06億ドルになる想定だ。前年同期の売上高は1.02億ドルで、微増にとどまる見込み。7月から受注が回復し、8月と9月も堅調だったため、コロナ禍の不確実性は続くものの収益は引き続き力強いと説明した。

 LGDが21年にテレビ用有機ELを700万〜800万台出荷する計画であることについて「テレビ用が1000万〜1100万台になると、スマホ7億台分の面積に相当する。だが、この台数に達するには、あと数年かかる」と見通しを語った。

 また、開発中の有機蒸気ジェット印刷技術「OVJP(Organic Vapor Jet Printing)」については、「商品化はおそらく3〜5年先だ。装置を自社設計するか、パートナーを選定して協業するか、すべての商品化オプションを検討している」と述べた。UDCは7月、OVJPを事業化するため、完全子会社「OVJP Corporation」を設立している。


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2021年05月31日

量子コンピュータ実機で有機EL発光材料の性能予測

5/31(月) EE Times Japan

 三菱ケミカルと日本IBM、JSRおよび、慶應義塾大学の研究プロジェクトチームは2021年5月、量子コンピュータ実機を用いて有機EL発光材料の励起状態を、高い精度で計算することに成功したと発表した。実機ノイズによるエラーを低減するための新たな測定手法を開発することで、高い計算精度を実現した。

 慶應大と日本IBMは2018年5月、慶應大理工学部内に産学共同の量子コンピュータ研究拠点「IBM Quantum Network Hub」を開設した。三菱ケミカルやJSRも発足メンバーとして参画している。これまで取り組んできた「量子コンピュータを用いた有機EL発光材料の性能予測」研究プロジェクトでは、実用材料であるTADF(熱活性化遅延蛍光)材料の励起状態エネルギーについて、量子コンピュータを用いて予測する研究に取り組んでいる。ただ、複雑な構造の実用材料を従来手法で計算すると、十分な計算精度が得られなかったという。

 研究プロジェクトチームは、量子コンピュータの励起状態計算手法である「qEOM-VQE法」と「VQD法」を用いて、TADF材料の励起状態エネルギーを計算し、計算精度を向上させる研究に取り組んできた。

 TADF材料は、最低一重項励起状態(S1)と最低三重項励起状態(T1)のエネルギー準位が数kcal/molと近い。このため、T1状態の励起子が熱運動でS1状態に遷移すれば、理論上は発光効率100%という有機ELの発光材料を得ることができるという。つまり、S1とT1状態を高い精度で理論計算できれば、理想的な有機ELの発光材料を効率よく開発することができるというわけだ。

 今回の研究では、三菱ケミカルが特許を公開しているTADF材料(PSPCz、2F-PSPCzと4F-PSPCz)の分子構造において、エネルギーが最も高い分子軌道「HOMO」と、最も低い分子軌道「LUMO」をターゲットに、励起状態計算を行った。計算はエラーがない量子コンピュータシミュレーターと、IBM製量子コンピュータ実機の両方で行った。

 この結果、シミュレーターの計算結果は実験値に近い極めて良好な相関係数(0.99)を示した。これに対し、実機による計算結果は実機ノイズの影響により、実験値とは相関性のないことが分かった。

 そこで今回、「量子トモグラフィー」技術をベースに、実機のエラーを低減する手法を開発した。その方法とはこうだ。まず、量子トモグラフィーを用いて実機の量子状態を測定する。測定結果から実機のエラーを推定し、これに基づき計算結果を修正する。この結果、厳密解と最大88mHaあった計算誤差は、約4mHaに改善されたという。
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2021年05月28日

UBIリサーチから「2021年OLED発光材料レポート」を発刊

2021/5/28 UBIリサーチ

2021年OLED発光材料レポート(185ページ)の日本語版が発刊しました。このレポートの税別価格は

シングルユーザ―価格:660,000円
マルチユーザ―価格:990,000円です。

 1) シングルユーザ―は3名まで購読が可能で、PDFファイルは印刷とファイルcopyは不可能
 2) マルチユーザ―は全社購読が可能で、PDFファイルは印刷とファイルcopyは可能

同時に発売のOLED発光材料のマーケットトラック(四半期*4)も完了し、レポートと同じ税別価格です。

シングルユーザ―価格:660,000円
マルチユーザ―価格:990,000円です。

ご検討よろしくお願い致します。ご希望の仕様で正式な見積書を作成・お送りいたします。
ご注文の折は、レポートの送信先メールアドレス、住所、部門、氏名、電話番号もお知らせ下さい。
ご注文やサンプルなどのお問い合わせは、こちらからお願いします。






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2021年05月27日

韓国SKグループが日本に投資会社設立か…半導体素材や部品企業の買収推進で

2021年5月26日 コリア・エレクトロニクス

SKグループが日本の半導体関連企業買収や環境関連投資のために4,000億ウォン(約388億円)を共同で出資することが分かった。日本の対韓国輸出規制(輸出管理強化)による素材調達上のリスクにも対応した措置とみられる。

複数の韓国メディアによると、グループ持株会社であるSK(株)、SKシルトロン、SKマテリアルズ、SKCは、各1,000億ウォン余りを出資して計4,000億ウォン規模の投資会社「SKジャパン・インベストメント」を設立すると報じられている。

SKジャパン・インベストメントは、素材や部品サプライヤーの買収を推進するとみられる。日本現地での共同投資家も募る可能性があるとされ、その場合、総投資額は4,000億ウォンを上回ることになる。

SKシルトロンは韓国唯一のシリコンウエハ製造企業であり、SKハイニックスやサムスン電子に納品している。 2019年の日本の輸出規制の後、デュポン社のシリコンカーバイドウエハ部門を買収した。SKシリコンは、日本でも関連技術企業への投資・買収を進めるとみられている。

SKマテリアルズは日本のトリケミカル研究所、昭和電工、JNCとそれぞれ合弁会社をすでに設立しており、日本企業とのさらなる協力などを進めるとみられている。

SKCは、半導体ブランクマスク工程で、今年から製品を生産する予定である。半導体用ブランクマスクは、現在の日本への依存度が90%に達していることから、関連技術の吸収をしたいものとみられている。

SKグループは韓国財閥企業のなかでも、M&Aに最も長けているとの定評があり、今後の展開が注目される
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2021年05月15日

NHK技研、“曲がる”有機ELディスプレイ実現に向け新材料開発

酒井隆文
2021年5月13日 AV Watch

NHK放送技術研究所は5月12日、巻き取りや折り曲げができる大画面フレキシブルディスプレイの実現を目指して有機ELの研究開発を進めるなかで、世界で初めて電子注入の動作機構を解明するとともに、さらなる高性能化が可能な新規電子注入材料を、日本触媒と共同で開発した。

有機ELでは、発光層に電子を注入するため、陰極と発光層の間に存在する約2eVのエネルギー差をゼロにする必要がある。新たに開発した電子注入材料により、陰極や有機材料との化学結合を利用して、エネルギー差をゼロにできることに成功した。

さらに従来の有機ELにおける電子輸送材料は、電子を輸送する役割よりも、エネルギー差を約1eV減らす役割が大きいことも解明。これらの発見により、新規電子注入材料を用いれば、電子輸送材料を必要とせず、発光層に直接電子を注入できるという。

この新規電子注入材料により、有機ELの長寿命化、省電力化に寄与するだけでなく、従来必要だった電子輸送材料が不要となることで有機ELの構造を簡素化できるようになる。

この研究成果は5月11日、Nature Communications誌に掲載。同研究所は「今後も大画面フレキシブルディスプレイの早期実現・実用化に向け研究開発を加速していきます」としている。
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2021年05月14日

NHK技研、“曲がる”有機ELディスプレイ実現に向け新材料開発

5/13(木) Impress Watch

NHK放送技術研究所は5月12日、巻き取りや折り曲げができる大画面フレキシブルディスプレイの実現を目指して有機ELの研究開発を進めるなかで、世界で初めて電子注入の動作機構を解明するとともに、さらなる高性能化が可能な新規電子注入材料を、日本触媒と共同で開発した。

有機ELでは、発光層に電子を注入するため、陰極と発光層の間に存在する約2eVのエネルギー差をゼロにする必要がある。新たに開発した電子注入材料により、陰極や有機材料との化学結合を利用して、エネルギー差をゼロにできることに成功した。

さらに従来の有機ELにおける電子輸送材料は、電子を輸送する役割よりも、エネルギー差を約1eV減らす役割が大きいことも解明。これらの発見により、新規電子注入材料を用いれば、電子輸送材料を必要とせず、発光層に直接電子を注入できるという。

この新規電子注入材料により、有機ELの長寿命化、省電力化に寄与するだけでなく、従来必要だった電子輸送材料が不要となることで有機ELの構造を簡素化できるようになる。

この研究成果は5月11日、Nature Communications誌に掲載。同研究所は「今後も大画面フレキシブルディスプレイの早期実現・実用化に向け研究開発を加速していきます」としている。
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2021年05月13日

有機ELの省電力化・長寿命化・低コスト化に貢献する電子注入材料を開発

2021年5月12日 PR Times

株式会社日本触媒(本社:大阪市中央区、社長:五嶋祐治朗、以下「日本触媒」)は、NHKと共同で有機ELの低消費電力化・長寿命化・低コスト化に寄与できる新しい電子注入※1材料を開発しました。

これまで有機ELでは、電極金属から有機材料への電子の供給をスムーズに行うことを目的としてアルカリ金属化合物を用いてきましたが、これらは有機材料との反応性が高いことから有機EL素子の劣化の要因とされてきました。

これらの課題に対し、日本触媒とNHKは、電極金属と有機材料との間に大きな分極※2を生じさせることで、有機ELの劣化要因となるアルカリ金属化合物を用いることなく効率的に電子を注入できる技術を開発してきました。

今回、この分極型電子注入技術の開発で得られた知見を活用して、より効率的に電子注入を行える電子注入材料を開発しました。この新しい材料は、フッ化リチウムやリチウム−キノリノール錯体のようなアルカリ金属からなる一般的な電子注入材料に対して同等以上の特性を示し、有機ELの低消費電力化とそれによる長寿命化への寄与が期待されます。

さらに本開発品を用いることで、これまで困難とされていた陰極から発光層への直接電子注入を容易にできることも見出しました。一般に有機ELでは、陰極から供給された電子を発光層に届けるために電子輸送材料が必要とされてきましたが、これが不要になることで有機EL構造の簡素化が可能となり、有機ELを構成する材料の削減や成膜プロセス短縮による低コスト化が期待できます。

※1:電極から有機材料に電子を供給すること
※2:プラスに帯電した部分とマイナスに帯電した部分が生じた状態

日本触媒について:
1941年の創業以来、自社開発の触媒技術を核に事業を拡大。酸化エチレンやアクリル酸、自動車用・工業用触媒などを世の中に送り出し、現在では紙おむつに使われる高吸水性樹脂で世界1位のシェアを誇っています。日本触媒は「テクノロジー(技術)」を通じて「アメニティ(豊かさ)」を提供する、という企業理念「TechnoAmenity」のもと、グローバルに活動する化学会社です。
https://www.shokubai.co.jp


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