2021年12月03日

○サムスンD、総帥肝いりの「QDディスプレイ」出荷…OLED産業の地殻変動

2021年12月3日 コリア・エレクトロニクス

サムスンがLCDに代わる次世代ディスプレイ「量子ドット-有機EL(QD-OLED)」を量産し、OLED市場の地殻変動を予告した。サムスン電子イ・ジェヨン副会長が将来の有望産業としてQDディスプレイに目を付けてから約2年ぶりのことだ。韓国メディア「newspim」が報じた。

30日、サムスンディスプレイによると、この日の午前、忠南牙山(アサン)キャンパスで、QDディスプレイの出荷式を開き本格的な量産に突入した。

忠南牙山キャンパスの8.5世代Q1ラインで生産されるQDディスプレイは、サムスン電子やソニーなど主要顧客会社に供給される予定だ。1月の生産量は8.5世代(2200×2500o)基準で3万枚水準だ。これは55インチや65インチのテレビを約100万台製造できる量だという。サムスンは来年1月にアメリカラスベガスで開かれる「CES 2022」で新たなQDディスプレイテレビを披露する予定だ。



◇ LGディスプレイ独占OLEDテレビ市場拡大期待
現在、プレミアムテレビ市場においてOLEDパネルは、LGディスプレイが独占的に供給している。LGディスプレイは、今まで世界で唯一テレビに使われる大型OLEDパネルを生産していた。

初めはLG電子にのみ大型OLEDパネルを供給していたが、今はソニー、パナソニックなど全部で19の企業に供給している。上半期のOLEDテレビの出荷量は272万台で、このうちLGのOLEDテレビが174万台で全体の63.3%を占める。

ここにサムスンディスプレイがQDディスプレイの量産に突入すれば、OLEDテレビ市場の規模はさらに拡大すると予想される。

コロナを経て「ペントアップ(Pent-up)」効果が落ち着き、世界テレビ市場の規模は段々減少している。オムディアによると、今年第3四半期のテレビ全体の出荷量は5039万8000台で、前年同期より20%以上減少した。

一方で、OLEDテレビの需要は増加し続けている。今年第3四半期のOLEDテレビの出荷量は153万9000台で、前年同期より65%増加した。第4四半期にはOLEDテレビの出荷量が200万台を突破することが予想される。今年のOLEDテレビ全体の市場規模は、前年より80%増加した650万台に達するというのがオムディアの予想だ。

◇ QD「より多くの色をより正確に」…横から見ても色の差なし
サムスンディスプレイのQDディスプレイは、LGディスプレイのホワイトOLED(WOLED)とは技術的な違いがある。WOLEDは、ブルー・イエロー・グリーンのOLEDを垂直に積み上げ、これを光源として使用する。

一方、QDディスプレイは、ブルーOLEDを光源として使用し、この光が量子ドット層を通過しながら光(色)を作り出す。青色はブルーOLEDが出すが、赤色と緑色は量子ドット物質がブルーの光源を受けて、より鮮明な色を作り出すという原理だ。

量子ドットは、粒子のサイズによって光の波長が異なり、波長の幅が狭いため色の純度が高く、全方位に光を発散することができる。このような特性により、光の3原色(赤・緑・青)を広く精密に表現でき、従来の形式より自然色を正確に再現できる。また、正面から見た時と側面から見た時とで輝度や色に差がないという特徴がある。

◇ 2年ぶりの投資結実…「新たな成長のチャンス開かれる」
サムスンディスプレイは、2012年に歩留まりの問題でOLEDパネル事業を一度諦めた経緯がある。再びOLEDによる体質改善を成し遂げた原動力は、イ・ジェヨン副会長の果敢な投資決定だ。

サムスンディスプレイは2019年10月、QDディスプレイの生産施設の構築や研究開発に合わせて13兆1000億ウォン(約1兆2668億円)規模の投資計画を発表した。投資計画を発表してから約2年ぶりに量産に突入し、LGディスプレイとOLEDパネルの覇権を争うことができるようになった。

サムスンディスプレイのチェ・ジュソン社長は最近、役職員と疎通する時間に「現在、QDディスプレイの歩留まりが期待以上だ」と述べた。サムスンディスプレイは今後、市場の状況によってQDディスプレイの投資を増やしていく方針だ。

チェ社長は「中小OLED分野において積み上げた自発光技術のリーダーシップを基に、QDディスプレイの商用化に向けた投資を実行中」とし、「より多くの色をより正確に表現し、広い視野角という特性を持ったQDディスプレイが商用化されれば、長い間低迷していた大型ディスプレイ産業に新たな成長のチャンスが作られるだろう」と述べた。
posted by 新照明の情報2008 at 14:37| 有機ELテレビ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする