2021年10月27日

信越化学、次世代ディスプレー向け量産装置を事業化

2021年10月25日  日本経済新聞

信越化学工業は年内に次世代ディスプレーの製造装置を事業化する。微細な発光ダイオード(LED)の素子を高速で基板に敷き詰める独自の技術を使う。「マイクロLED」と呼ばれるディスプレーの中核部分をつくる装置で、従来の方法に比べ時間をおよそ100分の1にできる。量産効果でコストが下がれば、テレビなどへの採用が広がりそうだ。

マイクロLEDディスプレーは、赤・緑・青色に光る一辺が数十〜100マイクロ(マイクロは100万分の1)メートル角のLED素子を敷き詰めて映像を表示する。映像は液晶より高精細で明暗がはっきりとし、普及が進みつつある有機ELの弱点とされる劣化にも強く寿命が長い。ソニーグループと韓国サムスン電子がそれぞれ売り出している。

ただLED素子の原価が高いことに加え、微細な素子を正確に敷き詰める実装技術が確立されていないことが課題になっている。サムスンが今年発売したマイクロLEDテレビは110㌅の価格が約1600万円と高額だ。

信越化学が販売するのは、マイクロLEDの素子をもとの素材から切り離す工程と、ディスプレーの母体になる基板に正確に並べて取り付ける工程を高速でこなす装置。得意とするレーザー転写技術などを応用した。従来の方法では大きさが50インチの4Kディスプレーの場合、素子を並べて取り付ける工程に18〜24時間かかっていたが、15分程度で済む。

新たな製造装置による量産効果でディスプレーの製造コストが下がれば、マイクロLEDを搭載したテレビや車載モニターなどの普及につながる。製造装置と専用材料をセットにして、素子メーカーやディスプレーメーカーなどに販売する。まずは5年以内に100億円規模の売り上げを目指す。信越化学は有機EL向けにも製造装置を手掛けている。

posted by 新照明の情報2008 at 17:25| マイクロLED・ミニLED | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする