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2017年07月22日

button_15.jpg  アップル変心で苦境に 東芝危機で名前挙がる“救世主”が助ける企業、さらなるリストラか

7/21(金) 産経新聞

 経営危機に陥った東芝など日本の有名企業を支援する“救世主”として必ずといってよいほど名前が登場する官民ファンド「産業革新機構」が筆頭株主の企業が苦境にあえいでいる。液晶パネル大手のジャパンディスプレイ(JDI)だ。主要顧客のアップルがスマートフォン(スマホ)に有機ELパネルの採用を想定より早く進める見通しとなり、液晶パネルの受注を大幅に減らす懸念が出ているからだ。JDIも有機EL技術の開発を急ぐが、量産開始は早くても来年だ。再建計画の練り直しが急務となっており、外部資本の受け入れやリストラなど抜本策が迫られる。

 「中期的な見通しが甘かった。経営者として責任を感じている」。JDIの有馬修二社長は5月10日に開いた平成29年3月期決算会見で、こう厳しい表情で語った。

 同期の連結最終損益は316億円の赤字となり、3期連続の最終赤字に沈んだ。2月の会見では「最終黒字に転換したい」と意気込んだが、新型液晶パネルの生産で不良品を出さない歩留まり改善が遅れたほか、スマホにおける有機ELの台頭を踏まえ、将来に一定の黒字を確保することを前提にしている繰延税金資産の取り崩しを余儀なくされた。29年4〜6月期も150億円の営業赤字を予測する。

 「想定していた以上に新製品の有機EL比率が高まる」。有馬社長はスマホが液晶から有機ELに急速に置き換わる構造転換を読み切れなかった“誤算”を認める。業界ではスマホ向けの有機ELパネルの比率は現在2〜3割だが、32年には5割に高まり、液晶パネルに拮抗(きっこう)するとの見方もある。

 JDIはアップルの要請に応じて、昨年12月に液晶パネルを生産する白山工場(石川県白山市)を新規稼働したばかり。だが、稼働率は低調で今後も改善が見込みにくい。背景にあるのは、売上高の半分以上を依存するアップルの変心だ。

 アップルは今秋販売のスマホ「iPhone」に有機ELパネルを採用し、量産技術を確立する韓国サムスンが独占供給する見通しだ。来年発売のモデルでは採用数を増やし、サムスンや韓国LGディスプレーが供給するとみられている。

 有機ELパネルは液晶より薄くできる上、画質が鮮明で画面を曲げられるなどの特徴があり、スマホのデザインの自由度を高められる。サムスンや中国メーカーなどはすでに有機ELを採用したスマホを発売するなど新たな潮流となりつつあり、アップルもシェア拡大に向け、早期に転換を進めるもようだ。

 JDIもこの間、手をこまねいていたわけではない。生き残りをかけ、スマホ用有機ELの量産を急いでいる。5年ほど前からサムスンなども手がける「蒸着方式」という製造方法を採用した有機ELの開発に着手し、今夏にようやく茂原工場(千葉県茂原市)に量産試作ラインを稼働するめどがついた。量産のための技術を確立した後に、30年度上期には量産にこぎつけたい考えだ。

 問題は3期連続の赤字など業績不振が響き、量産技術が整っても量産に回わせるまとまった資金が不足していることにある。

 そもそもJDIは産業革新機構が主導し、苦境に陥った日立製作所と東芝、ソニーの液晶パネル事業を統合して24年に発足した会社だ。昨年末にも資金繰りに困り、革新機構から750億円の追加支援を受けた。民間企業であるJDIの救済に革新機構の公的資金を活用するのは難しかったため、同じく機構が出資する有機ELパネル開発のJOLEDとの統合支援を名目にした。

 この時に発表したJDIの再建計画は、スマホ向けなど中小型パネルのJDIと医療機器などに使う大型パネルを開発するJOLEDが組むことで、有機ELの開発を加速し、技術で勝負できるビジネスモデルを構築することが柱だった。JOLEDはJDIに先駆け、蒸着方式より低コストの「印刷方式」と呼ばれる製造方法を用いた有機ELを既に開発済みで4月にサンプル出荷を開始。来年初めにソニーの医療用モニターへの採用が内定している。

 ところが、6月7日に、再建策の中核と位置付けたJOLEDの子会社化の時期について、予定していた12月下旬から延期し、「未定」にすると発表した。液晶パネル市場の環境が悪化して、JDIの経営や資金繰りが厳しくなり、自社の抜本的な経営再建が先決であると判断したためだ。

 JDIは6月21日に、JOLED社長の東入来信博氏が会長兼最高経営責任者として経営のかじ取りを担う体制に移行しており、新たな経営陣のもとで従来の再建計画を撤回して、8月上旬をめどに新たな再建策をまとめる方針だ。投資情報サービス会社ナビゲータープラットフォームの和泉美治アナリストは「今後の戦略次第で業績予想は大きく変わってくる」と指摘する。

 赤字体質の脱却に向けては、スマホパネルの液晶から有機ELへの構造転換を見据え、国内に6つある液晶工場の再編や人員削減などが必要になるとみられる。資金繰りが悪化する中で、構造改革に伴う費用だけでなく、今後の成長に向けた有機ELの量産投資費用なども確保する手立てを打たなければならない。これには外部からの資本受け入れが避けられない見通しだ。

 また、先行するサムスンを追撃するためには「技術的にも1社でやるよりは他社と手を組むのがベストだ」(和泉アナリスト)との見方もある。資金、技術の両面で、パネルの日の丸連合救済にどの企業が名乗りを上げるかが注目されている。(経済本部 万福博之)

button_15.jpg  “TOKYO 2020”に向けて開発が進む8K&HDR技術

7/21(金) ITmedia LifeStyle

世界の放送技術をリードするNHK、その原動力となっているNHK放送技術研究所で、今年も5月に一般公開(技研公開)が開催された。未来の放送技術として立体放送技術が大々的に押し出された昨年と異なり、今年は2020年の東京オリンピックという明確な目標に向かう発表内容が多く発表された。毎年、技研公開を見てきた麻倉怜士氏は今回の技研公開をどう捉えたのか。まずはスーパーハイビジョンの映像に関する技術や研究を中心にリポートをお届けしよう。

OLEDを使った常識をくつがえす薄さのディスプレイ。わずか2mm

●71回目の技研公開

麻倉氏:今年で71回めのNHK放送技術研究所公開です。今回は地下に放送歴史館歴の史的機材が出展され、テレビ放送の基盤となるビデオテープレコーダー(VTR)機材が、2インチ、1インチ、1/2インチ、デジタル、ハイビジョンと進化する流れが見られました。

 このように毎年5月下旬に放送にまつわる最先端のテクノロジーが披露されるわけですが、日本をはじめとした全世界の放送の基盤を作ってゆくというところが技研のミッションです。

――テレビ受像機や放送カメラといった華やかな映像製品を支える技術の多くは、ここ砧の基礎研究によって生まれました。技研発の放送技術が、世界中の人々の記録と記憶を紡ぐこと数知れず、というところでしょうか。

麻倉氏:現状はこれまで作ってきたフォーマットが実用化寸前です。スーパーハイビジョン(SHV)のスペックはほとんど完成しており、これからはより実用化精度と完成度を上げるというフェーズに入りました。今年の展示は3本柱で構成されていまして、メインステージではAI、VR、AR、IoTといった現代のバズワードが踊り、これらを取り入れた映像情報の効率化して的確に届けるという点に心血が注がれていました。これが今回のテーマの1つめ。2つめは2020年の東京オリンピック/パラリンピックに向けたスポーツ関連の映像テクノロジー、番組制作の開発で、それらに対する新しい切り口があちこちで見られました。そして3つめはSHVをベースに立体テレビへというもので、立体テレビそのものの改善、ストレージメディア、伝送メディアの開発が繰り広げられていました。

――これまでと比べて明らかに“TOKYO 2020”を意識したものが多かったように感じます。全体で大きな目標へ向かおうとしているみたいでした

麻倉氏:これまでの技研公開はテクノロジーが主体で、新方式の開発および実用化がメイントピックであり、ミッションでした。これがだんだん広がってきて、放送全般に関わる「作る、届ける、見る」という全プロセスにおいて、革新的なことをやろうというところが今回は目立っていました。特に顕著だったのは実用化とアプリケーションでしょう。そうはいっても私としてはやはりハードが気になります。まずはこの観点のお話からしたいと思います。

 今回、SHVは“フルスペック”が強調されていたことが印象的です。これ自体の展示は数年前からありましたが、従来は全て(のスペック)が完全にそろったSHVというのは、実はなかなかありませんでした。今回は映像撮影、編集、伝送、上映と、今回は上から下までフルスペックでやるという流れが顕著に出てきたので、まずはわれわれ視聴者に最も近い上映段でのフルスペックSHVを取り上げましょう。

●JVC 8Kレーザープロジェクター

麻倉氏:技研公開のオープニングは毎年常設ホールでデモムービーが流れていますが、今年はこのムービーが300インチの実験用スクリーンでの上映に移動しました。投影機材JVC製の特製8Kレーザープロジェクターで、これ自体は2015年に展示をしていたものと基本的に同じです。

 このプロジェクターの特筆すべき点は“最も色域が広い”という点でしょう。私のリファレンス機でもある「DLA-Z1」などの民生機は青以外を蛍光体で出すため、レーザー光はそこで遮断されます。ですがこれはRGBの3原色を直接レーザー発光していて、BT.2020比はおそらく100%といっていいでしょう。スペックを見ると、解像度8K、色域BT.2020、フレーム周波数120Hz、階調12bit、HDR(HLG)と、“フルスペック”の要件が全てそろっています。

――2階分くらいの高さの壁一面に特大の8K映像が映し出され、それを10m前後の距離で浴びるように観ました。「これぞ8K!」という映像体験に引き込まれる、見事な“つかみ”でしたね

麻倉氏:特に今回強調されたのが“120Hz”というフレーム周波数です。高解像度の大画面になると60Hzではブレが出て動きボケになってしまいますが、120Hzではこれがピタリと止まります。約6分の映像クリップのうち半分がダンス映像で構成されており、その効果はとても顕著なものでした。このデモンストレーションはとても“鮮やか”で、ダンスの動きだけでなく布の質感もよく出ており、途中でダンサーが増えてRGB各色の衣装にYが加わって色効果もよく確認できました。120Hz、12bit、HDRの精細感、動きに対する解像間の高さというところがとても鮮やかに見えたプレゼンテーションでした。

●薄型130インチ8K OLED

麻倉氏:次は0.9mm厚のLGディスプレイ製65インチ4Kパネルを4枚並べた“薄型130インチ8K OLED”です。実際には構造物が1mm入るので約2mm厚ですが、それでも常識破りの超薄いシート型130インチ8Kディスプレイには驚かされます。

 同じようなものは昨年も展示されていましたが、LGディスプレイ自身の進化もあり、今年は120HzとHDRに対応しました。色域のBT.2020にはもう一歩達していませんが、着実に進化しています。私の印象からすると、確かにコントラストが上がっていて、前面パネルのグレア率も向上しているのではと感じました。その反射も加わって、非常にシッカリとした解像感がありました。

――LGディスプレイのシート型OLEDは何度か見ていますが、あの大画面と薄さには「明らかに時代が違うぞ!」という“未来感”があります。何というか、薄い画面に映る鮮やかな映像が、未知の体験に対する夢をかき立てます

麻倉氏:OLEDがスゴいと思うのは「どんなに薄くとも画質は同じ」というところです。今LGエレクトロニクスはOLEDテレビを6機種出していますが、実は価格が相当違っても画質は同じなんです。これはつまりパネルは全く同じで、付加価値の部分で価格的なグレーディングをしているということです。なので今回のような、ものすごく薄いパネルを4枚使ったとしても、画質の均一性は非常に高いわけです。

●OLEDの改良

麻倉氏:OLED自体の進化に関する展示もありました。一般的には回路層の下に発光層を成形しますが、これを逆構造にした“トップエミッション方式”への試みです。

――イメージセンサーに裏面反射という技術がありますが、これの出力版のようなイメージですね

麻倉氏:BT.2020の色域は緑が広くとられており、これを充分に出すのは難しかったのですが、トップエミッションでは発光層の前の障害物がなくなるために色純度の高い緑発光が可能となり、緑の発光効率がBT.2020比で95%程度にまで近づきました。

 これが難しいのは製造工程の複雑化による歩留まりの問題です。加えてトップエミッションでは光の方向が狭まって視野角が出てしまいます。

――自発光なのに視野角……

麻倉氏:RGBの多層構造の中から光が出るため、距離の関係で、光の出方が不均一になるのです。光の出方の制御がかなり難しいので、ここをどうするかというのが大きな課題となるでしょう。ですが物理的にはメリットがあるので、今後の展開を注視していきたいです。

●QLED

麻倉氏:デバイス関連の研究でもう1つ「環境に配慮した量子ドット素子」というパネル展示も見逃せません。今はOLED、つまり有機ELが盛んですが、業界が次を見据えているのはQLED、つまり量子ドット(Quantam Dot)LED。これは特定の原子に光が当たると波長が変わるという量子力学の現象を利用した、光の入力波長を変換して出力するという技術です。

――日本では製品展開されていませんが、ワールドワイドではサムスンが液晶テレビの分野で幅を利かせています

麻倉氏:それはQLEDといいますが、マーケティング用語で、単なるLEDバックライトのQD液晶テレビです。それはともかく、本物のQLEDは自発光という大きな特徴があります。自発光で純度の高い色を出せる層を持ったデバイスというのが現在の段階で、QD素材自体は無機ですが、そこ以外は有機素材という、“有無”を言わせぬハイブリッド構造です。これの問題は素材にカドミウムを使っていることで、イタイイタイ病などで知られる通り、毒性が高い物質なので量産品には使えません。

 今回の研究で試されたのはZAIS(スズ、亜鉛、イリジウム、硫黄)という混合素材です。確かに3原色は出ていたのですが、残念ながら比較対象として置かれていたカドミウム型の方が明らかに良い発色でした。それは研究チームも理解していて、今後はこのZAISをメインに色純度と効率をいかに上げるかが研究課題になると話していました。

 ですがこの方式にはひとつ、“作り方が印刷方式”という大きな注目点があります。JOLEDが印刷方式で21型のOLED量産に成功したため、時期的にもちょうど良いですね。オリンピック後の時代は、このQOLEDが大本命のデバイスになることが期待されます。

●シャープの70インチ8Kディスプレイも

麻倉氏:家庭向けディスプレイの民生品としては、シャープの70インチ8Kがありました。まだまだ高価ながら、従来の85インチと比べれば随分とマシな価格になってきました。

――とはいってもまだ高級車くらいの価格ですから、おいそれと買えるものではないですか。まあ従来の1000万円オーバーと比べると一桁落ちたのは確かに大きな前進です

麻倉氏:シャープの意見としては、アレをきっかけに開発を進め、2018年12月の本放送前にはアフォーダブルなものを作りたいとのことです。もちろんチューナー内蔵モデルで。そういう意味では送りから上映までの大きな流れが出てきていたといえます。家電量販店に8Kの文字が踊る日もそう遠くはない、でしょうか。画質も上がっています。以前の85インチは、暗部階調にくせがありましたが、新しい70型はかなり素直な特性になりました。

●アストロデザインのコンパクト単板カメラ

麻倉氏:ここからはカメラの話をしましょう。制作セクションには日立国際電気のフルスペックRGB 3板カメラと、アストロデザインのコンパクト単板カメラがありました。この中でアストロデザインの新製品が“インターライン方式”という面白い撮像方式をとっていました。

――インターライン? インターレース方式とは別物なんでしょうか

麻倉氏:走査線をひとつおきに走らせることで、帯域が狭い中で情報を伝えるという方式です。大きな特徴は映像信号を加算せずに出力段の信号処理で補間するということで、A画面とB画面を加算して画を出すインターレースとはちょっと異なります。フレームを間引くことでデータ量を減らしており、フルスペックではないながらもコンパクトなデュアルグリーン8Kの映像が撮れるのが利点です。

 展示スペースを眺めてみると、フルスペックの大型カメラからインターラインの小型カメラまで、ラインアップが随分と豊かになったと感じます。どのカメラも8KとHDRという高色域を備えていて、放送に耐えうる映像クオリティーを出すのが良いですね。各家庭に届けるのは来年からの高度BS実用放送で、展示はそれをB2Bの視点から見たものでした。

●8Kカムコーダー

麻倉氏:これらのカメラは撮影と録画が別筐体(きょうたい)の業務モデル、いわゆるカメラヘッドですが、今回の技研公開には一体化した8Kカムコーダーに関する展示もありました。

――民生機は一般的にこちらですね。カメラにSDスロットなどの記録媒体が内蔵されているものというと、一般の方も分かりやすいと思います。

麻倉氏:南極のバクテリアをテーマにNHKが「アンタルクティカ」を作った時に、米REDの小型8Kカメラ「HELIUM」を使いました。日本は小型カメラで遅れを取っていた格好ですが、今回8Kカムコーダーのプロトタイプが提案されていました。内容はJVCの4Kカムコーダーのレコーダー部をそのまま使って4連結させるという力技です。現状はSDカードレコーダー部とカメラヘッド部が分離していて、各々の技術を確立している途中です。

 性能的には各パート100分撮影可能で、現状はAVC圧縮ですが、コーデックをHEVCにすると倍は撮影できるでしょう。すぐ出てくるわけではないですが、近い将来に一体型に進化する見込みです。8Kはまだまだ特別な存在でカメラも大柄ですが、今の4Kと同じような手軽さでできれば「同じ撮るなら8K撮影で、後から4Kにダウンコンバートしよう」という流れになることが想像できますね。

 今回は展示されませんでしたが、技研と日本メーカーとのコラボで、次世代の8Kカメラが現在開発中ということです。それも楽しみですね。

●SDR用電子アイリス

麻倉氏:今度はHDRに関する提案です。現在、NHKでは試験放送チーム(8K HDR)と一般放送チーム(2K SDR)が別々に制作をしていて、例えば大相撲のような同じ現場の映像でも、2チームが別々に動いています。これはいろいろな面で大変ですね。高度BSが始まる来年からはHDRがメインになりますが、しばらくはSDRで見る人が圧倒的に多いわけで、どうにか一体運用が必要です。さて、制作はどっちをメインにしたら良いでしょうか? 今回の技研公開ではHDRをメインに据えてセットアップしたシステムに、SDR用の電子絞りを組み込んだものを提案していました。

 SDRはHDRと比べると露出設定がシビアで、例えば“暗い部屋に明るい窓”というお決まりの画の場合、どっちもしっかり撮るHDRの設定をそのままSDRに使うと、露出は間違いなく破綻します。同じように昼間のサッカースタジアムでは、影に合わせると日向がトびます。これではダメで、従来はゲームが繰り広げられるピッチを拾い、影に入った観客席を泣く泣く諦めていました。

 ですがHDRが普及してくると、HDRの露出は動かさず、SDR向けの最適露出を現場判断でやるのが合理的だろうということに気付き始めました。しかしドラマや映画などのRAWからグレーディングできるポスプロ映像なら良いですが、ライブ中継ではそうも言っていられません。これを解決するのがHDRとSDRの一体制作カメラに搭載される電子絞りシステムです。

――機械絞りとは別に電子絞りで露出データを制御し、HDR用とSDR用のそれぞれの露出を撮影現場で作ってしまう、という思想ですね。ポスプロ作業も必要ないですし、何より現場の画を見ている人が制御できるというのが良いです

麻倉氏:これからは一体制作が一般的になると見込まれます。そんな時代に1台のカメラでHDR、SDRのどちらにも最適な映像を撮る、大きな提案だと感じました。

●大画面と8Kのカンケイ

麻倉氏:研究発表に面白いものがあったので、是非ご紹介したいと思います。私のAVライフでも度々体感してきたことですが、コンテンツと画面の大きさとシステムの間には一定の関係があり、どんなコンテンツをどのくらいの視野角で見るかということはとても重要です。実際のところ、4Kでかなり満足をしているユーザーが多い現状において「8Kならでは」「8Kでなければ」というコンテンツや観え方をきちっと提案できないと、8Kの成功はありません。

――これは4Kの時も言われていたことですが、単純なスペックアップでは新しい価値として認識されなくなっているということですね。従来とは全く違う価値の提示が求められていると

麻倉氏:そういう価値を提示する1つの可能性として「大画面での視聴が好まれるコンテンツの特徴」というパネル展示を紹介しましょう。SHVやHDRなど、新システムや方式が開発される時、技研では必ず一般人による試験をします。今回紹介するのは“8Kの広視野視聴環境に適した映像を制作するために”ということで、約40人の一般視聴者を対象に調査したものです。

 1.5H(4K)、0.75H(8K)それぞれの視野角で、なおかつ20インチくらいの小サイズ、50インチくらいの中サイズ、85インチの大サイズ(フル画面)の3種類に分けて、合計44種類の映像を見てもらい、その感想を分類するという実験をしました。映像の内容は巻き貝のアップや電車の走行シーン、富士山の遠景や花火などです。その結果、山、海、雲、空港、寺院の遠景、京都の街並みなど、元が広い視野の広角映像は広く観たいというインプレッションが多く集まりました。

 逆に人物のアップ、日舞のアップ、スケートボードの近接撮影、人力車を大写しにした街並みなど、拡大映像のようなクローズアップした映像はあまり大画面で観続けたくはないという回答が多数を占めました。特に巻き貝の穴のクローズアップ映像は大画面に対しての相性が悪かったのですが、これは全体像が気になるため、大画面を嫌うのだろうと分析できます。

――拡大鏡のような映像は、インパクトが大きい反面、刺激が強すぎて長時間は疲れるということですね。こういった画は文章における疑問符(?)や感嘆符(!)といった記号と同じで、ワンポイントで効果的に用いることが重要であり、多用しすぎると映像作品として破綻する可能性がある。これはなかなか重要な発見です

麻倉氏:画角を持って自然をゆったりと撮った映像や、ごちゃごちゃした情報がない映像、あるいはできるだけ大きな映像は、大画面と相性が良い。これはAV愛好家が体感的に会得してきたことですが、このように理論として分析されたということが大変意義深いですね。中景も含めてディテールがしっかり出ている映像はあまり大画面で観続けたくない、ということも貴重な発見です。映像制作はもちろん、撮影カメラマンの立場から、8Kのメリットが出る現場でのメソッドとして役立てられれば良いなと感じました。

――次回は音声や制作、立体映像に関する技術などを中心に深掘りします。
2017年07月20日

button_15.jpg  OLED成膜時間を1/10に短縮する技術

2017年 7月 17日 UBIリサーチ

OLEDを一層迅速に製造できる技術が開発された。

韓国研究財団によると、ハンバッ大学ユン・ホンソク教授の研究チームは、高圧のAir Jetを噴射し、多層のOLED薄膜を希望する場所へ効果的に移動することができる高速スプレー技術を最初に開発した。

OLEDスプレー法は、多層の薄膜を基板から一度に剥がし、他の薄膜と結合させて素子を製造する。この際、薄膜が破れたり、しわくちゃになったり、角が剥がれたりするため、量産には対応しにくいのが実情だった。




研究チームは、新技術であるAir Jetを用いた高速剥離技法を考案し、薄膜と基板の間の結合エネルギーを効果的に調整する原理を利用した。基板とOLED薄膜の間に音速に近いAir Jetを噴射すると、基板との結合力が効果的に低下し、薄膜に影響を与えずに噴射することができる。Air Jetを用いた高速スプレー技術は、OLEDを噴射する時間しかかからないため、工程時間は従来のOLEDに比べ、1/10程度に短縮された。OLED薄膜を溶液でコーティングして低価に製造できる。

ユン教授は「この研究は、Air Jetを用いてOLED薄膜を傷つけずに、効果的に噴射できるため、OLED素子を迅速に製造できる技術を開発したとも言える。OLED照明、広告、ディスプレイなど、様々な分野で使われているOLEDの製造コストを画期的に削減することができる。今後、太陽電池、半導体素子などの基礎電子素子に応用できると期待される」と研究の意義を説明した。

この研究成果は、韓国未来創造科学部と韓国研究財団における基礎研究支援事業の若手研究者支援事業により支援を受けて実施された。ナノ素材応用分野の国際学術誌(Nanoscale)6月9日付に掲載された。
2017年07月19日

button_15.jpg  AR/VR用ディスプレイ市場レポート発刊 : AR/VR市場、2019年に本格拡大 – その要因は?

2017年 7月 18日 UBIリサーチ

■ 2021年AR/VRの総体売上高は587億米ドルの見通し
■ UHDコンテンツの量産とVR用大容量コンテンツを高速転送できる5Gの導入が予想される2019年に拡大する見込み

最近、ICT(Information and Communications Technologies)技術の発展によって、第4次産業革命が新成長動力として注目されており、主要技術の一つである拡張現実(Augmented Reality、以下「AR」)と仮想現実(Virtual Reality、以下「VR」)に対する興味が高まり、Oculus RiftやGear VRなどの製品が続々と発売されている。

販売を開始したAR製品には、米国MicrosoftのHoloLens、米国GoogleのGoogle Glassなどのガラスタイプがあり、VR製品には米国Oculus VRのOculus Rift、台湾HTCのVive、ソニーのPlayStation VRなど、HMD(Head Mounted Display)-based VRのようなタイプと韓国Samsung ElectronicsのGear VRのようなSmartphone-based VRタイプがある。

7日に発行されるUBI ResearchのAR/VR用ディスプレイ市場レポートでは、2017年に1,700万個のAR/VR製品が出荷され、39億米ドル規模の売上高を達成すると予想される。特に、UHDコンテンツの量産とVR用に大容量データを遅延時間が生じない高速で処理またはストリーミングするための5Gが2019年から導入される見込みという。これによって、AR/VR製品の総出荷量は、年平均成長率54%で2021年には9,640万個になり、総売上高は587億米ドルになると予想される。

本レポートでは、AR/VR市場を分析するために、市場を大きく分けて製品とディスプレイに分類し、詳しくはAR/VR製品市場全体、VR製品タイプ別市場、AR/VR用ディスプレイ市場全体、AR/VR用OLEDとその他のディスプレイタイプ別市場に分類した。

VRによる酔いがなく没入感の高い仮想現実を体験できるためにLatency、FOV、Refresh Rate、高解像度のディスプレイ要件を主要な争点として分析し、2014年から2016年まで発売されたAR/VR製品をタイプ別にまとめた上で、ディスプレイの種類と主要メーカーの製品などに分類し、比較分析を行った。

また、米国のAppleとFacebookなど、主要ITメーカーによるAR/VR製品の発売現況、関連特許、関連メーカーの買収などの事業推進現況や主要パネルメーカーにおけるAR/VR製品の展示動向をまとめ、関連メーカーには業界の主要動向を把握する際に参考になるとみられる。

UBI Researchは、2017年のAR/VR用OLEDの出荷量は260万個になり、その他のディスプレイの出荷量は240万個になると予想し、全体市場の占有率については、OLEDは52%になり、その他のディスプレイは48%になると予想した。また、2021年には5,200万個を出荷し、全体市場で80%を占有することになると予想した。


button_15.jpg  世界有機ELディスプレイ製造装置・材料産業年鑑2017、発売後の1カ月で30社がご購入

世界有機ELディスプレイ製造装置・材料産業年鑑2017、の販売を開始しました。

急拡大する有機ELディスプレイ業界。製造装置・材料メーカをリサーチ!


2017年5月30日に発刊しました!!
     
・調査報告書の特長
 大好評で120社で購入いただいた「世界有機ELディスプレイ産業年鑑2017」に引き続き、
 今回は製造装置・材料業界とサプライチェーンを中心とした本書を発刊しました!
 発売後1カ月で、既に30社にご購入いただきました。誠にありがとうございます。
 書籍版(モノクロ)に加えて、PDF版(カラー)とのセット版もご提供。
 液晶からの移行で投資が本格化する有機ELディスプレイ市場の動向を追跡!
・調査報告書概要
 スマートフォンやPC、テレビ、自動車にVR機器と、有機ELディスプレイの採用が本格化している。
 今後は折り畳み型、巻き込み型ディスプレイの製品化が見込まれており、開発も進んできた。
 本産業年鑑は、有機ELディスプレイにおいて製造装置・材料の主要メーカの動向をまとめた。
 またパネルメーカの動向、全体の市場動向も併せて収録している。メーカ毎の動向が網羅された1冊。

【調査】 分析工房株式会社
【編集・販売】 グローバルネット株式会社

◇書籍版 定価:38,000円(税別)
 ●A4版・モノクロ ●124ページ
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◇セット版 定価:58,000円(税別)
(書籍+カラーPDFデータ)
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【目次】
第1章 有機ELディスプレイパネル産業の全体動向
 1-1. 韓国の小型パネルの産業動向
 1-2. 韓国の大型パネルの産業動向
 1-3. 自動車向けの有機ELパネルの産業動向
 1-4. 台湾と中国の有機ELパネルの産業動向
 1-5. 全体の市場動向
第2章 有機ELディスプレイパネルメーカ
 2-1. サムスンディスプレイ
 2-2. LGディスプレイ
 2-3. BOE
 2-4. Visionox
 2-5. JOLED
 2-6. シャープ
 2-7. AUO
 2-8. Royole
 2-9. その他のメーカ(EDO、CSOT、天馬、Truly)
第3章 有機EL材料メーカ
 3-1. 全体動向
 3-2. UDC
 3-3. 出光興産
 3-4. 保土谷化学工業
 3-5. Merck
 3-6. Dupont
 3-7. Kyulux
 3-8. Cynora
 3-9. 吉林OLED
第4章 有機EL製造装置メーカ
 4-1. 全体動向
 4-2. キヤノントッキ
 4-3. APシステム
 4-4. Kateeva
 4-5. SFA
 4-6. ビアトロン
 4-7. Jusung Engineering
 4-8. HBテクノロジー
 4-9. その他のメーカ(YAS、WONIK IPS、テス、IDC、INVENIA、Youngwoo dsp、VESSEL)
第5章 有機ELパネル材料・部材メーカ
 5-1. i-components
 5-2. SKCコーロンPI
 5-3. イノックス
 5-4. 東レ
 5-5. KOLON Industries
 5-6. ウェーブエレクトロニクス
 5-7. 住友化学
 5-8. 三菱化学
 5-9. その他のメーカ(イグゼックス、東ソー、MOMENTIVE、ヘンケル)


button_15.jpg  サムスンに続きアップルも採用で、フレキシブルOLEDパネルが品薄

2017.06.29 ET News

スマートフォン用フレキシブル有機EL(OLED)は、市場の需要が急速に成長し、サムスンディスプレイのみが製造しているので、品薄状態が生じている。昨年にリジッドOLEDパネルをフラッグシップモデルに採用した中国のスマートフォンメーカーのほとんどにおいてフレキシブルOLEDの需給が強く、供給不足がよりひどくなった。今年の下半期から、AppleがOLED iPhoneに採用すると、サムスンディスプレイが今年に生産するフレキシブルOLEDの数量の約3分の2を、アップルに確保される。

フレキシブルOLEDのブームは、サムスン電子のギャラクシーシリーズが触発した。高解像度リジッドOLEDディスプレイのフラッグシップ市場で液晶(LCD)に勝利した後、両端が曲がっカーブドエッジディスプレイを採用して、ハードウェア設計の差別化が容易ではないスマートフォン市場で消費者の関心を引くことに成功した。 アップルがフレキシブルを次期iPhoneのOLEDとしてを採用し、市場の需要がリジッドOLEDからフレキシブルOLEDに完全に移ったというのが業界の大半の意見だ。世界のスマートフォン市場の大手であるサムスン電子に続き、アップルまでフレキシブルOLEDパネルを採用したことで、市場の中心が大きく移動したと見られている。

アップルの採用は、市場の雰囲気を転換させる効果を生んだと同時に、品薄状態に火を点けた。サムスンディスプレイは、昨年と今年にかけて、月産の基板で合計13万5,000枚規模の設備投資した。

このうち10万枚以上がアップル向けと推定される。生産能力のかなりをサムスン電子とアップルのメイン顧客向けでで確保した結果、中国のスマートフォンメーカーと、Googleなどの他の顧客の数量拡大要求をすべて受け入れることができない状況になった。フレキシブルOLEDがリジッドOLEDより収率がまだ低いことも困難を加重させる要因である。

業界関係者は「サムスンディスプレイは、現在、世界で唯一に安定してフレキシブルOLEDを供給し、アップルを新規顧客として確保しつつ、戦略的選択の幅が広がった」とし「Googleは、Huaweiなどに数量を要請したが、サムスン電子 の立場から、アップルを除いて、不必要に他の有力ライバル企業を登場させる必要がないという判断の下で、要求を受け入れていないだろう」と分析した。

LGディスプレーが第3四半期に第6世代フレキシブルOLEDの稼動を加速し、BOE、チャイナスター、天馬、エバーディスプレイ、ビジョンノックス、シャープなども設備投資を行う。BOEをはじめとして、2018年と2019年にかけて、中国のパネルメーカーはフレキシブルOLEDを量産を開始する。しかし、サムスンディスプレイの生産能力がダントツで、追加の新工場の投資まで出れば、格差はさらに広がる。すでに量産経験があるので、コスト、品質、歩留まりなどでも最も有利である。

button_15.jpg  CGVがソウルに都心型テーマパークのVバスターズをオープン、 VR普及の先頭に立つ

2017.07.18 ET News

CJ CGVが18日、ソウル龍山に都心型テーマパーク「Vバスターズ(BUSTERS)、V버스터즈」を開いた。CGV龍山アイパークモール店オープンとバーチャルリアリティ(VR)乗り物などを備えたエンターテイメント空間を公開した。劇場の輸出ビジネスモデルとして活用する。海外の劇場事業主が劇場をカルチャーフレックスに発展させる傾向に合わせてVR遊を一緒に供給するための戦略である。

VバスターズはVRと体感型スポーツ(バーチャルスポーツ)などの新技術ベースの遊びを楽しむ空間である。 VRコンテンツ6種と体感型スポーツ5種を備えた。コンテンツごとに5000ウォン前後の利用料金を受ける。VRコンテンツは「アトラクション」「インタラクティブ」「ゲーム」の合計3つのセクションに分けられる。

アトラクションには、熱気球に乗って、米ニューヨークの風景を鑑賞する「VR熱気球」、ラフティングに乗ってジャングル探検を楽しむ「VRラフティング」を運営する。 インタラクティブコンテンツは、閉鎖された精神病棟の背景でシミュレータを用いて、懐中電灯も点灯して運転したりしながら、目的地まで訪ねて行く「VRホラー」は、戦争で敵を攻撃し、戦場を占める「VRシューティング」を楽しむことができる。

ゲームセクションには、モバイルヘッドマウントディスプレイ(HMD)を着用して、ジョイスティックを使ってかわいいキャラクターゲームを楽しむ「VRモバイル」とPC用HMDを利用した「VRアーケード」を用意した。 この他にもスクリーン野球(打者または投手)、射撃、アーチェリーなどのスポーツゾーンも運営する。ドローンを銃で撃つ落とす「ドローンシューティング」などのエンターテイメントコンテンツも披露する。月曜日〜日曜日の午前10時から夜10時まで運営する。
2017年07月18日

button_15.jpg  【LED&OLED EXPO 2017】様々なアプリケーションが創出できる有機EL照明

2017年 7月 13日 UBIリサーチ

韓国で最大規模の国際光融合エキスポである「国際LED&OLED EXPO 2017」が、27日から三日間韓国京畿道高陽市にあるキンテックスで開催された。多くのOLED照明メーカーが参加し、照明製品を数多く展示した。

韓国生産技術研究院は、韓国光産業振興会、韓国光技術院、韓国照明研究員院などと共同で、OLED照明産業クラスター助成事業のブースを設置し、スタンド型と天井型など、リジッドOLED照明を数多く展示した。


<韓国生産技術研究院のMirror Desk OLED照明>

韓国生産技術研究院の研究員は「現在、開発されたOLED照明の寿命は、LT50を基準に15,000時間で、40,000時間を目標に開発している。柔らかくて透明な設計が可能で、厚みも薄いので様々なアプリケーションが創出できる。ヨーロッパでは、LEDの照度に上限があり、OLEDに注目が集まっている。また、照明市場は中国メーカーによって飽和しているので、OLEDの方が可能性が高い。市場が広くなればなるほど、工程が簡単なOLED照明の価格がLEDより低くなる」と語った。

様々なフレキシブルOLED照明とリジッドOLED照明を披露した韓国JOONGWOO M-TECHの関係者は「現在実用化されているOLED照明の寿命は、LT50を基準に40,000時間で、日常生活でも十分に使える。OLEDは面照明として、ブルーライトが少なく、LEDに比べて採用可能なデザインのバリエーションが多い。今後もフレキシブルOLED照明を開発し続けて他の照明との競争で、優位に立つと明らかにした。




韓国の成均館大学は、Roll-to-Roll工程で直接製作したフレキシブルOLED照明を披露した。成均館大学関係者は「Roll-to-Roll工程を適用することで、生産時間を短縮することができた。厚みが薄く、柔らかいので、様々な照明分野に適用できる」と期待感を表した。

他にも、韓国O’CLESSは、Mirror OLED Lightingを披露し、大きな興味を集めた。韓国Wooree Lightingによるスマートフォンのワイヤレス充電機能を採用したスタンド型OLED照明は、産業通商資源部長官賞を受賞するなど、次世代光源であるOLEDの競争力を証明した。


button_15.jpg  今後の世界の有機ELディスプレイと製造装置市場の見通し

2017年 7月 14日 UBIリサーチ

先日の6月に韓国ソウル市汝矣島にある全経連会館で開催されたUBI Researchの「上半期セミナー:OLED市場分析と最新技術セミナー」で、イ・チュンフン代表は、2017年上半期のOLED産業投資と量産状況の分析に基づき、今後の市場見通しについて発表した。

イ・チュンフン代表は、中国セットメーカーによるOLEDディスプレイの需要増加で、2021年には中国がOLED製造装置市場をリードすると強調した。2021年に中国の装置市場は、装置市場全体の約48%を占めるようになり、約405億米ドル規模の投資が行われる予定だと述べた。

また、このような中国の動きは、OLEDスマートフォン市場にも影響を与えると予想される。2019年にはOLEDスマートフォンがLCDスマートフォン市場を追い越し、2021年にはOLEDスマートフォンが同市場全体の80%を占めると見込まれる。

フレキシブルOLEDについては、2017年から2019年まで、AppleのフレキシブルOLEDの需要増加に対応するSamsung Displayと、フレキシブルOLED市場で2位を目指している中国のBOEにおいて、大規模の投資が行われると見通しだ。

イ・チュンフン代表、2018年からはBOEの第10.5世代LCD工場で、65型パネルの量産が開始されることにより、今後は、65型以上の製品がプレミアムTV市場を形成すると分析した。この影響で、第10.5世代を保有していないパネルメーカーは、第8世代ラインでMMG(Multi Model on a Glass)方式にて65型パネルを生産すると明らかにした。

韓国LG Displayは、第8世代TV用OLED生産を維持し、2020年以降から第10.5世代ラインでOLEDを生産すると予想した。

UBI Researchが発刊した『2017 OLED製造装置レポート(2017 OLED Manufacturing Equipment Annual Report)』では、2017年から2021年までOLED製造装置市場の占有率について、TFT装置が45%、OLED画素形成装置が17%、封止(Encapsulation)装置とセル装置が各々13%、モバイル装置が12%になると予想されている。今後フレキシブルOLEDに対する需要が大きく増加する見込みで、セル装置とモジュール装置の市場占有率は、全体の25%まで拡大し、一層重要になると予想される。

button_15.jpg  2017年9月7日、ドイツ・フランクフルトで国際TADFシンポジウム開催

2017年 7月 14日 UBIリサーチ

TADF(Thermally Activated Delayed Fluorescence)技術は、OLEDに効率的で安定的なエミッタ材料を提供する新しい技術で良く知られている。TADFエミッタは、OLED産業における次世代材料の発展に貢献し、多くのOLEDアプリケーションを創出できると期待されている。現在、TADFはOLEDを改善する主要技術として多くの注目を集めており、このTADF技術の重要性と次世代OLEDにおけるTADFの影響力は、ドイツのフランクフルトで開催される国際TADFシンポジウムで紹介される予定である(www.tadf-symposium.com)。

IFAカンファレンス直後、ヨーロッパと韓国の大学で世界的に有名な研究員が、TADF OLED素材の開発に関連するモデリングから分析、素子製作に至るまで、様々なテーマについて議論を展開する。OLED産業をリードしている韓国のLGとSamsungは、OLED産業に関する意見と高効率TADFが市場にどのような影響をを及ぼすかについて発表する。また、代表的なTADF材料の供給メーカーであるドイツCYNORAは、青色TADFエミッタの初の実用化について、進行状況と最終段階を公開する。

国際TADFシンポジウムは、9月7日にドイツのフランクフルトで開催される予定で、参加申込は8月15日まで受け付ける。
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